「色気たっぷり」「走りも楽しい」【新型VWパサート】ワゴン好きに自信を持ってオススメできる実力モデルが日本上陸
エントリーグレードでも上質な内装仕立て。プレミアム感にどっぷり浸れる
今回試乗したのは、プラグインハイブリッドとなる「eHybrid Elegance」だ。レザーシートパッケージ/DCC Proパッケージ/電動パノラマスライディングルーフがオプションで追加されていた。 そのインテリアは、スッキリとしながらもレザーがたっぷりと使われており、外観に負けない格の高さを感じることができた。さらに目を引くのは、15インチもの巨大なタッチディスプレイだ。まるで大型パソコンがそのままそこにあるかのようだ。カーナビゲーションの表示はiPhone風で、先代よりもずいぶんと使いやすくなっていると感じた。また、ギヤのシフトはハンドルのコラムに移っていたのだが、これが悪くなかった。ギヤ操作は、上下ではなく、ひねり込むように行う。これならば、ウインカーと間違えて、誤操作することはないだろう。 ◆通常時でも十分な容量を持つ荷室。実用性の高さも健在だ。
スポーティーセダンを彷彿させる、キビキビとしたハンドリング
街中を走り始めても、そのほとんどが電動走行で済んでしまう。走行用モーターは最高出力85kWに、最大トルク330Nmもあるのだ。リチウムイオン電池を25.7kWhも積んでいるから、一充電で最大142kmものBEV走行が可能だ。スムーズで力強く、そして静かな走行を楽しむことができる。 しかし、街中であっても、アクセルをひとたび思い切り奥まで踏み込むと、すぐに1.5Lの直列4気筒インタークーラーターボエンジンが目覚める。目覚めてしまえば、逆に、エンジンは歯切れのよいビートを轟かせる。意外に威勢がよくてびっくりする。 また、オプションで装備された、2バルブ独立制御式のアダプティブシャーシコントロール“DCC Proパッケージ”により、サスペンションをより締め上げることもできる。装着された255/40R20という大径タイヤとあわせて、操舵に対する反応と乗り心地は、かなりシャキっとしている。スポーティセダンのキャラクターを感じさせるハンドリングであったのだ。 実用性という点では、広く、使い勝手にこだわった荷室があり、とても高い実力を備えている。ここは歴代パサートの伝統もしっかりと受け継いでいる。ただ、最新モデルとなる今回の9代目は、従来の実用性一辺倒ではなく、より色気を感じさせる方にキャラクターを変更したようだ。流麗なフォルムに迫力ある顔つき、そしてキビキビとしたハンドリングは、これまでにない、新しい「パサート」と言えるものだった。
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月刊自家用車編集部