博多一風堂の海外展開、成功の鍵は?
一風堂の海外展開への成功の鍵は、味千拉麺と同じくメニューを現地に合わせていくことはもちろんですが、ラーメン店というソフトそのもののローカライズにありそうです。味千拉麺はメニューの内容こそ現地の嗜好に合わせてはいますが、あくまでも日本のラーメン店のスタイルでの出店でした。しかし、一風堂はスタイリッシュな店舗にジャズのBGM、ホスピタリティある接客など、既存のラーメン店とは異なるスタイルで業界に一石を投じ続けてきた、ラーメン界のトレンドリーダー的な存在です。その国のライフスタイルを上手に取り入れて、ラーメンを入口にして日本の食文化を発信する、いわば情報発信の場としての役割が一風堂には求められています。そのアドバンテージを生かした新しいラーメン店の形こそ、クールジャパン機構が最も評価した部分でもあり、一風堂が欧米で成功する上でも重要不可欠な部分と言えるのです。 (山路力也 フードジャーナリスト/ラーメン評論家)