HIMARSの恐怖の「ダブルタップ攻撃」でロシア兵数十人死亡か ウクライナ南部
ゼレンスキー大統領「結果はミサイルがみずから示す」
ウクライナ軍のHIMARSの射程圏内で多数のロシア兵が野外に集まり、そこにHIMARSから発射されたGPS(全地球測位システム)誘導ロケット弾が撃ち込まれ、大量の死傷者が出るというのは、ロシアがウクライナに対して起こして2年9カ月近くたつ全面戦争で繰り返されている。ロシア軍はこの1年だけで、こうした攻撃で人員を数百人失っている。 攻撃はさらにエスカレートするに違いない。ニューヨーク・タイムズ紙によると、バイデン政権はウクライナが米国製ATACMS弾道ミサイルをクルスク州やその周辺のロシア領内の目標に対して使用することを承認した。ATACMSは射程が最長のもので300kmあり、クラスター弾頭型は子弾を最大950個内蔵する。 ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は「結果はミサイルがみずから示すことになる」と述べている。 ウクライナは何カ月も前から、ロシア領内に対するATACMSの使用許可を懇願してきた。バイデンは北朝鮮が数千人以上の兵士をクルスク州での戦闘に送り込んだあとに、ようやく容認した。北朝鮮の派兵によってこの戦争は著しくエスカレートし、世界戦争の様相を強めている。 ATACMSがどのくらいの損害を与えられるかは、クルスク州でのロシア軍と北朝鮮部隊の配置、ウクライナ軍に残っているATACMSの数量、そして、来年1月に米国でドナルド・トランプ次期大統領が就任するまでに、バイデン政権がウクライナに新たに供与するATACMSの数量しだいだ。 トランプはウクライナへの米国の援助を縮小、さらには打ち切る可能性がある。トランプのもとで米国がウクライナから離れ、ロシアに近づくことになれば、ロシア軍がこれまで懲りずに繰り返してきたこと、つまり、野外に多数の兵士を集結させてはロケット弾攻撃で大損害を出すことも終わるかもしれない。
David Axe