プロ野球「観客動員」過去最高になるかもしれない コロナから回復、動員率が9割を超える球団も
■日本ハムは動員率が劇的に改善 対照的に「カープ女子」ブームでチケットがなかなか取れなかった広島は、昨年あたりからチケットがとりやすくなっている。内野席の一部を自由席にしているが、席が早くに埋まって立ち見になることもあるなど、評判は良くないようだ。 エスコンフィールドHOKKAIDOに本拠地を移転した日本ハムは、動員率77.9%と他球団に比べれば見劣りするが、札幌ドーム最終の2022年は43.6%(64試合118万248人)、コロナ前の2019年でも66.7%(58試合163万5667人)であり、動員率が劇的に改善している。この球場は、夏休みに全国から観客を集める。昨年も夏以降に動員が大幅に伸びたので、今後の進展が期待できる。
ヤクルトは唯一、平均観客動員が昨年を割り込んでいる。リーグ連覇の後、昨年5位に低迷したのが響いたか。球場の老朽化も問題だろう。 ロッテは、コロナ禍以降、上昇傾向が続いている。応援団が牽引する部分が大きいようだ。 昨年中盤まで、1万人台の動員だった楽天だが、球団がマーケティングを強化したこともあり、大幅に観客が伸びている。しかしここも球場の老朽化が目立ち、他球団に比べれば見劣りがするのが課題だろう。
西武も昨年から観客動員を増やしているが、この球場は夏場の高温がネックになりつつある。 ■動員率が9割を超えた球団のその先 動員率が9割を超えた球団は、飽和状態に近づいていると言える。ダイナミックプライシングなどでチケット代金を上げたり、球場内物販を強化して客単価を上げることだろうが、巨人のように新球場を模索する球団も出てくるだろう。 観客動員が7~8割の球団はまだ伸びしろがある。観客に快適な時間を提供して、いかにリピーターを作っていくかが課題ではあろう。
広尾 晃 :ライター