プロ野球「観客動員」過去最高になるかもしれない コロナから回復、動員率が9割を超える球団も
■スポンサー収入が大きな収益の柱に かつて、プロ野球の最大の収入源は「テレビの放映権」だった。高い視聴率を稼いだ巨人戦の放映権で、プロ野球は回っていた。しかし今や、プロ野球にとってスポンサー収入は入場料収入と並ぶ収益の柱になっている。 野球場での広告掲示は、スポンサードする企業にとっては「ターゲット層が絞り込みやすい」というメリットがある。球場に来るのは「スポーツ好き」な「若年から壮年層」が中心で、居住エリアは「球場近隣の地域」が多いからだ。だから球場広告にはナショナルスポンサーに加えて、地域企業の名前も多い。
観客動員が増えれば、スポンサーの広告の露出も増える。だから球団の担当者も強気の営業ができるのだ。「うちのスポンサーの多くは、コロナ禍で観客が入らないときもついてくれたから、観客が入ったからといって急に強気にはなれないけど、そろそろ新しいお客も見つけていかないと」と球団営業担当者は言う。 このようにプロ野球の観客動員は「球団の営業状態」をダイレクトに示す非常に重要な指標になっているのだ。 しかし昔はそうではなかった。観客動員は今も昔も「主催球団発表」ではあるが、かつては、実数ではなく、球団が恣意的な数字を発表していた。昭和、平成初期のプロ野球を知っているオールドファンは、東京ドームの巨人戦が連日「5万6000人」の発表になっていたのを覚えているのではないか?
しかし同じ東京ドームで行われる日本シリーズでは、観客動員は「実数発表」になるので「4万6153人」などペナントレースよりもはるかに少ない数字になっていた。日本シリーズのチケットはほぼ売り切れるから、空席などあるはずもない。当時の巨人は1万人近くも「さばを読んでいた」わけだ。 ■不人気だったパ・リーグの球団でも… それは巨人だけでなく全球団で同様で、不人気だったパ・リーグなどは「あまり少ないのはみっともない」と考えたのか、最低でも1000人と発表している球団もあった。