旧車レストア×ヤマハトレールDT1☆フルレストアにチャレンジ☆Vol.1
細部にも特徴が多いDT1シリーズ
1969年型なので鉄製ドロ除けのフロントフェンダーを採用している。1968年型のフロントおよびリアフェンダーのドロ除け本体は、軽量なアルミ製だったが、取り付け部分のダンパーゴムがへたるとアルミフェンダーへは容赦なく亀裂が走った。このフェンダーステーにも特徴があり、69年型以前は完全な丸パイプ成型部品なのに対し、その後は、半丸のようなプレス成型部品へと変更されている。 ────────── 【POINT】 フルレストア前のポイント・作業開始前にはベース車両のコンディションや欠品部品の有無、欠品部品の入手可否状況を調べよう。状況によってはベース車両の変更も視野に入れて事前段取りを進めることもある。あわててはいけない!! ────────── 旧車の「2ストトレールモデルを楽しみたい!!」と考えたときに、真っ先に思い浮かぶモデルの1台が「ヤマハDT1だ!!」と語る熱烈なファンは数多い。1967年秋のモーターショーで発表され、1968年から発売されたヤマハDT1は、スクランブラーの延長上にあった、当時のオフロードバイク概念を大きく変えたモデルだった。スクランブラーから脱皮し、純粋な「モトクロス」を目指したニューモデルであり、今も昔もモトクロス大国のアメリカでは、爆発的なセールスを記録したモデルでもある。 その歴史を振り返ると1688年初頭には北米向け輸出仕様車が出荷され、春先には日本国内でも発売開始。アメリカ仕様も国内仕様も、発売当時はウインカーを装備しない仕様で、アメリカ向けはシングルシート仕様で、国内向けはタンデムを想定した2名乗車仕様だった。そのため国内仕様のシートレールには、左右をつなぐブレースが付くるアメリカ仕様に対してシートレールが強度アップされていた。その後、68年秋には69年型の生産が始まり、通称たまご型の丸型大型ウインカーを標準装備する仕様へとなった。 発売当初はゴールドメタリック(国内カタログカラー)とパールホワイトの2色で、前後シルバーのフェンダーと黒色オイルタンクのバランス感を含め、軽快性が高いカラーリングに憧れたライダーも数多かった。細かな部分に触れると、同じ1968年式でも、初期生産モデルと完全量産モデルとでは細部の仕様に違いが多く、そんな部分もファンに興味を与える旧車ならではのファクターだった。 バイク仲間が部品取り車として長年所有してきたバイクをベース車両に、フルレストアを実践する今回。これまでに何台もの旧車フルレストアを経験してきたが、DT1は初体験。この時代のトレール車は、装着される部品点数が少なくて良い。このベース車を長年所有し続けてきたバイク仲間のお話しによれば「完成してみないとわからないけど、90%くらいの部品は揃っているかなぁ~」とのお話しなので、少しは楽観視。この先、どうなることやら。 フルレストア担当 たぐちかつみ