旧車レストア×ヤマハトレールDT1☆フルレストアにチャレンジ☆Vol.1
近所のバイク仲間が長年所有(20数年)していた部品取り車のDT1。お話しを聞くと、このバイクをレストアするつもりでコツコツと部品集めもしていたそう。おおよそ90%以上の部品は純正新品部品と中古部品を含めてストックしているそう。そんなベース車両からのフルレストアを、縁あって担当させていただくことになった。ここでは「旧車レストア×ヤマハDT1」のタイトルで、フルレストアレポート開始!! 【画像】旧車レストア×ヤマハトレールDT1をギャラリーで見る(12枚) 文/Webikeプラス たぐちかつみ
欠品部品の状況確認で仕上げ作業時間を想定できる
ガレージへ運んでくる直前に撮影した1枚の写真。極上車から超ボロボロ車まで、過去には何度もフルレストア経験があったが、正直、このDT1の程度は素晴らしく良く感じた。もちろんキックはスムーズに降り、その際に気になる異音も無い。そんな印象を持ったぼくは、ちょっとヘン?バイクの大先輩、パウダーコーティング・カトー代表の加藤さんからは、ヤマハDT1の素晴らしさを聴かされてきました。新品ピストンとピストンリングを準備して、アルミメッキスリーブ+吸排気ポートに「柱」を追加した柱付きのアルミメッキシリンダー=井上ボーリングのICBM®シリンダーにもチャレンジしたい。排気量数字がない鉄棒溶接+クロームメッキ仕上げのマフラープロテクターが、初期型DT1シリーズの特徴でもある。1968年モデルは、排気出口のパイプが絞られたデザインとなっているようだ。このベース車は、おそらく初代オーナーさんが新車購入した当初から、保安部品を取り外してモトクロッサーとして走らせていたような雰囲気だった。
表皮のコンディションも大切だが鉄板ベースは!?
程度が良さそうな純正シートでも、ベースの鉄板がサビサビだったり、張りかえシートながら、ベース鉄板がボロボロなどなど、様々なコンディションの旧車シート。シートはいくつかあるそうなので、ニコイチ、サンコイチで、イイ感じのフィーリングに仕上げたいと思いますが、果たして。
ピストンバルブによる吸気システム
茶色い強化ブラスチック=ベーククライト製インシュレーターにキャブレターをダイレクトにマウントするDT1初期型。アルミ製マニホールドを採用しなかったのは、エンジン熱をキャブレターへ伝えない「遮熱」が目的だったのだろう。1969年型は完全量産型キャブレターを装備するが、それでもメインジェットの交換は、フロートチャンバーを外さず外側から交換できる特徴的なメカニズムを採用。型式DT1Fとなる1971年モデルからは、シリンダーとキャブの間にリードバルブが装着される。