韓国とソウル警察の各トップを拘束 「非常戒厳」巡る内乱容疑
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領による「非常戒厳」宣言について捜査している警察庁国家捜査本部の特別捜査団は11日未明、戒厳当日に国会への出入りを阻止するよう指示した警察トップの趙志浩(チョ・ジホ)警察庁長とソウル警察庁トップの金峰埴(キム・ボンシク)同庁長を内乱容疑で緊急逮捕した。警察上層部が同時に身柄を拘束されるのは初めて。 警察関係者は聯合ニュースに対し「内乱罪は死刑の可能性もある重犯罪である点、証拠隠滅の恐れがある点などを考慮して緊急逮捕したと承知している」と述べた。 両庁長は非常戒厳が宣言された当時、2回にわたり国会を全面封鎖するよう指示するなど、解除要求決議案の採決のために国会に向かった国会議員らの出入りを阻止した容疑(刑法上の内乱など)が持たれている。 また、趙庁長は中央選挙管理委員会(選管委)に警察官を送り込み、戒厳軍と協力させた疑いもある。 特別捜査団は両庁長から任意提出された携帯電話を解析し、国会や選管委などに出動した警察官らの供述と当日の無線記録を分析した。 趙庁長は取り調べに対し、戒厳宣言直後の国会封鎖は自分の指示であり、戒厳司令部の布告令発表後の国会封鎖は当時戒厳司令官だった朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長の要請によるものだと述べたという。 警察は追加捜査を経て両庁長の逮捕状を請求するか決定する予定だ。緊急逮捕から48時間以内に逮捕状を請求しないか、裁判所が発付しなかった場合は釈放しなければならない。 特別捜査団は、戒厳当日に趙庁長と緊密に連絡を取っていた呂寅兄(ヨ・インヒョン)国軍防諜司令官や朴安洙総長など、軍首脳部も近く出頭させて取り調べる方針だ。呂司令官は趙庁長に電話し、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表や与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表など主な政治家の位置追跡を要請したとされる。 内乱事件に巻き込まれてトップ不在の状態となった警察は、当分の間組織内部の混乱が続きそうだ。
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