米ボーイング新型宇宙船の安全性に懸念、飛行士は別機種で地球帰還も
米国は2011年にスペースシャトルを廃止し、独自の有人船をいったん喪失。その後は運賃を支払ってロシアの「ソユーズ」を利用した。NASAは14年、有人船の開発や運用を委ねる契約を、スペースX社、ボーイング社と締結。クルードラゴンは20年5月、有人試験飛行でISSに到達し、同年11月から本格運用が続いている。
一方、スターライナーは困難を重ねている。2019年12月に無人試験飛行に挑んだが、エンジン噴射のタイミングがずれてISSに到達できなかった。その後、バルブの固着などで再試験の延期が繰り返され、22年5月にISSに到達している。その後は有人試験飛行の準備を進めたが、パラシュート機構の強度不足、船内の配線保護テープの可燃性の問題などが判明し、開発に時間がかかってきた。
今回の有人試験飛行を経て、来年にも本格運用に移行する計画だが、トラブルを受け、さらに検証が求められそうだ。本格運用の初号機には未公表ながら、日本の油井亀美也(ゆい・きみや)さん(54)が搭乗するとみられている。
一方、NASAは今月1日、既にISS長期滞在が決まっていた大西卓哉さん(48)について、クルードラゴン10号機で来年2月にも出発すると発表した。