【40代、50代・更年期の基礎知識 】「閉経したら男性ホルモンが増えてオジサン化する?」男性ホルモンの価値を知って維持に努めるべき
実は、女性ホルモンが減る更年期以降こそ、男性ホルモンが大切であることを知っているだろうか? 筋肉や骨を丈夫にしたり、やる気を出させてくれるのが男性ホルモンであるテストステロン。その維持方法もあわせて、産婦人科医の吉形玲実さんに解説してもらった。
Q. 閉経したら男性ホルモンが増えるの?オジサン化するのではないかと心配…
A. むしろ男性ホルモンを味方につけて 「女性の卵巣や副腎でもつくられている男性ホルモン『テストステロン』。やる気・活動力・社会性をアップしたり筋肉や骨を丈夫にする働きがあります。更年期に女性ホルモンが激減しても、テストステロンはあまり変化しません。そのため、ホルモンバランスが乱れ、ひげが濃くなったりする場合もあります。 ただし更年期には、少なくなった女性ホルモンの代わりに、心と体の健康を支えてくれる強い味方です。むしろ、意識的にテストステロンの維持に努めましょう。具体的には運動が一番です。運動によりテストステロンが増えると、血流がよくなったり筋肉が増えて、更年期太りも防いでくれます」(吉形先生)
Q. 太っている自分が嫌です。運動しなければと思っても、更年期のせいか、だるくて動けません
A. 少しずつでも筋肉を増やす工夫を。男性ホルモンが増えて痩せやすく、更年期症状も改善してきます 「エストロゲンが減ったあとの体をサポートするのは男性ホルモン『テストステロン』です。増やすには運動が一番。筋トレではなくても、ヨガなどに通う、コンビニジムに行くなどギアチェンジしてみませんか? 家なら椅子やテーブルを使って足腰を動かすだけでも違います。一度筋肉がつくと痩せやすくなり、気分も変わるはず。何よりテストステロンが増えると更年期症状が改善されます」 次回は、更年期のつらいホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)の原因と対策を解説してもらう。 【教えてくれたのは】 吉形玲美さん 産婦人科医。浜松町ハマサイトクリニック特別顧問。大学病院で医療の最先端に立ち、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも数多く携わる。女性予防医療を広めたいという思いから、現クリニックへ。更年期、妊活、月経不順など女性の体のホルモンマネジメントが得意。著書に『40代から始めよう! 閉経マネジメント』(講談社) 撮影/中川十内<アイキャッチ> スタイリスト/高橋尚美 構成・原文/蓮見則子