【JBCクラシック】川田将雅が地元・佐賀で涙の凱旋V ウィルソンテソーロ戴冠「本当に騎手冥利に尽きるなと」
[JpnI・JBCクラシック=2024年11月4日(月曜)3歳上、佐賀競馬場・ダート2000メートル] 4日の佐賀メインで行われたJpnⅠ・JBCクラシックは、川田騎乗で1番人気のウィルソンテソーロ(牡5・小手川)が早め先頭の積極策で押し切り優勝。勝ち時計は2分08秒0(良)。4馬身差の2着には4番人気のメイショウハリオ、さらに3馬身差の3着には兵庫のキリンジが入った。
名手が見せた異例の行動
地元への熱い思いが涙となって頬を伝った。「川田! 川田!」。佐賀初のJBC開催で見事に大トリを飾った鞍上は、集まった大観衆から万雷の歓声で迎えられ思わず男泣き。スタンド前ではヘルメットを外して深々とファンに一礼し、インタビュー中にもこらえきれず涙をこぼした。クールな名手には極めて珍しい振る舞いが、感激の大きさを物語っていた。 「必ず勝つ競馬をしようと、ウィルソンとともに臨みました。これだけ素晴らしい馬と巡りあえて佐賀に来ることができ、クラシックで勝ち切ることができて皆さまからこれだけ温かい声援を頂けることは本当に騎手冥利に尽きるなと。地元でGⅠを勝つということがこんなに感極まるんだなと、本当にうれしく思っています」 五分のスタートを切ったウィルソンテソーロはジワッと中団を確保。1周目のスタンド前で先頭集団を射程に入れ、2周目の3角で一気に先頭へ躍り出る。直線は独壇場。カクテル光線を浴びながら堂々と後続を突き放し、4馬身差をつけて歓喜のゴールに飛び込んだ。 管理する小手川調教師は開業5年目でうれしいGⅠ級初制覇。「川田さんのガッツポーズを見て、自分も込み上げるものがありました。この中間は〝何としてもGⅠを勝たせたい〟という思いでやってきましたが、終わってみればウィルソンが自分にGⅠを勝たせてくれたのかなと。本当にすごい馬です」と愛馬をたたえた。 次走は未定ながら強力ライバルを撃破し、初のビッグタイトルを手にした同馬の未来は明るい。「以前はテンション面に課題がありましたが、今日の午後に出張馬房で見たら堂々としていた。これなら勝負になると。川田さんも精神面の成長を褒めてくれました」と指揮官が話せば、米ブリーダーズカップ遠征からタイトな日程で帰国して最高の結果を出した名手も「なかなか勝ち切ることができませんでしたが、素晴らしい競馬を続けて一歩一歩成長していってくれました。同じオーナーのウシュバテソーロに追いつけるよう、ともに精進していきたいと思います」。昨年のドバイワールドCをともに制した砂王の名前を引き合いに出し、今後の活躍に胸を躍らせていた。
東スポ競馬編集部