「めぐみが北朝鮮にいる」疑惑が“確信”に変わるまで…メディアへの“実名”掲載を決めた父・滋さんの覚悟
報道が安明進氏の“証言”へつながった…
2月3日、『アエラ』誌が発売され、『産経新聞』では朝刊の一面トップと社会面で、めぐみの写真とともに、北朝鮮に拉致されたのではないかと、大きく報道されました。 『産経新聞』の見出しには、「北朝鮮亡命工作員証言『20年前、13歳の少女拉致』」「新潟の失踪事件と酷似」「韓国からの情報」「バドミントン、双子……『うちの娘だと思う』」「めぐみさんの両親死亡宣告せずに待った」とありました。 この2月3日には、西村代議士が衆議院予算委員会で、拉致事件について質問し、橋本龍太郎首相(当時)は「調査中である」と答えておられます。のちに5月1日、参議院決算委員会で自民党の吉川芳男議員がこの問題を質問されました。これに対して政府は、「北朝鮮による拉致事件と認識している」ことを初めて公式に明らかにしました。 新聞によると、今までに北朝鮮に拉致された疑いのある日本人を、「6件9人」としていた政府見解についても、「7件10人」と修正したとのことでした。この数字は、『警察白書』(平成9年版)にも記載されましたが、10人に増えた1人とは、恐らくめぐみのことでしょう。 西村代議士の質問があった2月3日のお昼過ぎ、韓国への取材に向かう「日本電波ニュース社」の高世仁報道部長が、成田空港の本屋さんで、『アエラ』と『産経新聞』に目を止め、めぐみの事件の扱いの大きさに驚いて、これを買い求められたことから、安明進という元北朝鮮工作員が直接、めぐみのことを、さらに具体的に証言してくれることになったのでした。
横田早紀江