今日コートジボワール戦。久保建英の先発抜擢なら森保Jの何がどう変わるのか?
今シリーズに招集されているフォワードは、大迫の他には今夏に北海道コンサドーレ札幌からベールスホット(ベルギー)へ移籍した鈴木武蔵しかいない。鈴木が1トップで先発した場合、トップ下にはおそらく南野拓実(リバプール)が入り、久保は2列目の右か左のどちらかとなる。 森保ジャパンで最多となる11ゴールをあげている南野を、リバプールでもブラジル代表ロベルト・フィルミーノの代役を務めているように、1トップで起用するケースもありうる。その場合のトップ下候補として、鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)とともに久保が浮上してくる。 無得点に終わったカメルーン戦の攻撃面における反省として、森保監督はコートジボワール戦を前にしたオンライン会見で2つの点をあげている。 「まずは我々が守備から攻撃に移ってボールを握ったときに、攻撃のクオリティーが足りなかったところ。もうひとつはカメルーンのプレッシャーが激しく、厳しかったこともあって、相手の守備に止められてしまったところ。コートジボワール戦では守備から攻撃に移るところでプレッシャーを回避して、よりボールをコントロールして相手ゴール前へ向かう部分を上げていきたい」 攻撃のクオリティーを高めて、なおかつ相手のプレッシャーをかいくぐれる。森保監督が求める多彩で高度なテクニックの持ち主を探していけば、おのずと久保の存在に行き着く。そして、2列目の3つのポジションで、久保が最も得意としているのはマジョルカでも主戦場としていた右となる。
右サイドから中央へ切れ込み、利き足の左足からシュート、味方を生かすパスを駆使し、時には相手の裏を突いて縦へも抜け出していく変幻自在なプレースタイルは、昨夏まで在籍したFC東京でも何度も発揮された。FC東京の右サイドバックとして久保を後方から支援し、今夏から独ブンデスリーガ2部のハノーファー96へ移籍した室屋成は、久保との縦の関係性をこう語る。 「タケは何でもできる選手なので、(右サイドバックとしての)自分の役割は基本的に自由に、タケがやりやすいようにプレーさせるためにサポートすることだと思っています」 ともに中盤の攻撃的なポジションを担いながら、森保ジャパンで南野と久保が共演した回数は2度しかない。昨年9月のパラグアイ代表との国際親善試合の後半45分間と、左右対の形でシャドーを形成した先のカメルーン戦の6分間。それでも南野はポジティブなイメージを久保に抱いている。 「ボールを受けてから、相手を1人、2人とはがして前を向ける選手だと思っています。シャドーに入ったときには攻撃を非常に活性化させる、チームにとってすごくいい選手だと思うので、これからプレー時間が長くなっていけば、チームにとって絶対にプラスになると思います」 久保自身は大きな期待を背負って期限付き移籍したビジャレアルで、リーグ戦の5試合を終えてすべて途中出場に甘んじている。右サイドにはナイジェリア代表サムエル・チュクウェゼ、トップ下にはスペイン代表ジェラール・モレノが存在感を放つなかで、スペイン出身のウナイ・エメリ監督からは、どちらかと言えば不得手としている左サイドでのプレーを向上させる努力も求められている。 カメルーン戦では当初はシャドーの右に配置されていたが、南野に代わって鎌田が投入された後半26分からは左でプレー。同39分には左サイドを抜け出し、ゴール前へクロスを供給するも飛び込んできた大迫に合わず、思わず頭を抱えながら悔しさを込めた大声を発している。