インバウンドで需要が高まる「全国通訳案内士」は国家資格?仕事内容や年収、必要なスキルは? 「通訳」との違いも解説
国がインバウンド対応に力を入れている中、注目されている職業が「全国通訳案内士」です。 全国通訳案内士は、語学系資格の中で唯一の国家資格とされています。資格取得することで、外国語会話にたけていることだけでなく、さまざまな知識を有している人材であることが認められます。 そこで今回は、全国通訳案内士の仕事内容や年収、スキルなどについてご紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
全国通訳案内士とは
「全国通訳案内士」とは、国内唯一の語学系国家資格で、外国人向けに通訳案内をする専門家です。そもそも通訳は、特定の資格がなくても従事できます。しかし「全国通訳案内士」を名乗ることができるのは、観光庁が実施している国家試験「全国通訳案内士試験」に合格した人のみです。 日本政府観光局によると、2024年4月1日現在の言語別延登録者数は2万7590人とされているようです。 ■全国通訳案内士の仕事 全国通訳案内士は、旅行会社と契約して仕事をするほか、フリーで働いている人も少なくありません。そのような場合は、派遣会社や知り合いの紹介などで仕事を得るケースもあるようです。 全国通訳案内士の仕事は、次のように多岐にわたります。 ●外国人の国内観光ツアーに同行する ●日本企業に視察や研修に来た外国人を案内する ●空港やホテルへ観光客を送迎する 全国通訳案内士は、試験で外国語のほか、日本の歴史や地理・文化・通訳案内の実務などに関する知識も問われるとされています。観光の通訳として高い能力をもっていることが証明されるため、国際会議のような難易度の高い業務を任されることもあるようです。 ほかにも、観光庁が主催するインバウンド受け入れ態勢強化のための研修会に講師として参加するといった業務を行っている人もいます。 観光庁は、インバウンド対応のために全国通訳案内士を幅広く活用することを推進しており、今後ますます需要が高まっていくことも考えられるでしょう。 ■全国通訳案内士の年収 国土交通省観光庁が2023年に行った「通訳案内士に対するアンケート調査 集計結果まとめ」によると、全国通訳案内士の仕事をしている人の見込み年収は、表1のようになります。 表1