【年収の壁】月収「8万8000円」に抑えていますが、最低賃金の見直しで“時給”が上がります。このままだと「社会保険」への加入は必須でしょうか? 手取りはどのくらい減ってしまいますか?
時給1000円、そのままのペースで働くとどうなる?
時給がアップしても月98時間労働のままで働くと次の通りです。 ●1000円×98時間= 9万8000円 ●9万8000円×12ヶ月=117万6000円 年収が117万円となり、「106万円の壁」を超えてしまいます。つまり、家族(配偶者)の扶養から外れ、自ら社会保険に加入する義務が発生します。 ■年収「117万円」社会保険料はいくらかかる? 働き方を変えずに社会保険に加入した場合、手取りはどのように変化するのでしょうか。シミュレーションは図表1の通りです。 図表1
厚生労働省 社会保険加入による手取り簡単シミュレーターをもとに筆者作成 年間、約16万円が社会保険料として給料から天引きされます。つまり、手取りが約92万円になってしまうため、この働き方では損をしてしまいます。 ■損をしない年収、目安は「150万円」以上 社会保険料を天引きされても損をしない年収が「150万円」以上と言われています。ここでは時給1000円の人が年収「150万円」で働く場合のシミュレーションをしてみましょう。 ●150万円÷12ヶ月=12万5000円(月収) ●12万5000円÷1000円=125時間(1ヶ月あたりの労働時間) ●125時間÷4週=約32時間(1週間あたりの労働時間) 想定出勤パターンは次の通りです。 ●週5日出勤、6.5時間労働がだいたい月125時間程度
働き方をシミュレーションした結果
図表2
筆者作成
まとめ
時給が上がり、社会保険の加入条件を満たすのであれば、義務から免れることはできません。 もし時給が大幅にアップするなら月給「12万5000円」を目指しても良さそうですが、微増であればフルタイム勤務と同等の労働時間になりそうです。子どもとの時間を優先したい、両親を介護しなければならないなど事情のある人にとっては、労働時間を減らす選択がベターかもしれません。 ただ、政府は「106万円の壁」を超えた従業員の手取り収入を減らさないよう、企業への支援も行っています。勤め先の企業がこうした支援策を活用していないか、確認してみることもおすすめします。 出典 厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧 厚生労働省 社会保険適用拡大特設サイト 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部