【ランキング】大学生はChatGPTをどれぐらい利用しているの? 何に使っているの?
ChatGPTなどの生成系AIは、レポート作成や外国語翻訳などに便利だとして、利用する学生が増えています。一方で、生成系AIの利用にはいくつもの課題があり、大学側の対応に温度差が出ています。学生たちはChatGPTを、大学の学びにどこまでどんなふうに利用しているのでしょうか。(写真=Getty Images) 【ランキング】ChatGPTなどの文章生成系AIの利用状況
文章生成系AIの利用経験者は約半数
ChatGPTに代表される文章生成系AIは、資料や文献を効率よく要約したり、文章を作成したりすることができる便利なツールです。便利であるがゆえに、大学生の学びにも大きな影響を与えると考えられ、各大学が対応を進めています。全国大学生活協同組合連合会による「学生生活実態調査」(国立大学19、公立大学3、私立大学9の9873人が対象)では、2023年度から「ChatGPTなどの文章生成系AIの利用状況」という項目を新たに追加し、調査に乗り出しました。文章生成系AIの学生の利用状況は以下の通りです。 文章生成系AIを「利用経験あり」と回答した学生は46.7%で、有料版を利用している積極派は0.9%です。「利用経験あり」のうち、「利用したが今はしていない」学生は17.8%で、継続的に利用している学生は28.9%であることがわかります。 一方、文章生成系AIを「利用経験なし」と回答したのは52.9%で、「利用経験あり」を少し上回っています。しかし、28.2%の学生は「利用していないが今後使ってみたい」と回答しており、全体の7割以上が文章生成系AIを利用したことがあるか、利用に関心を持っていることがわかります。 この結果を「学生が想像以上に利用している」ととらえるか、「思ったよりは利用者が少ない」ととらえるかは意見が分かれるところでしょうが、生成系AIに一定の興味を持ちつつ、使い方を模索しているというのが現状と言えそうです。
学生ならではの使い方が上位に
では、文章生成系AIを利用している学生はどのような目的で使っているのでしょうか。それを尋ねた結果が以下です。 「論文・レポートの作成の参考に」が最も多く22.1%。次いで「翻訳・外国語作文」12.1%、「相談・雑談相手」11.0%、「コンピューターのプログラミング、エクセルの関数作成」7.9%などと続きます。 全国大学生活協同組合連合会の大築匡・広報調査部長は、今回の調査結果を次のように分析します。 「継続的に利用している学生は全体の30%ほどなので、全学生が積極的に利用しているわけではなく、どちらかというと抑制的に使っている実態がうかがえます。利用目的も論文作成や外国語翻訳が多いことから、大学の学びに利用するという、学生らしい使い方をしている印象を持ちました。『相談・雑談相手』が全体で3位というのは意外ですが、この中には『試しに使ってみた』という学生も含まれているのだろうと思います」 また、「メールなどの文章作成」と回答した学生が6.3%、「就職・インターンシップなどのエントリーシート作成の参考に」と回答した学生が4.0%おり、学習活動とは別の場面でも文章生成系AIを利用していることがわかります。