起死回生「ラヴィット!」プロデューサーが見いだした朝帯番組での戦い方
知ってもらう
番組は3月で1周年を迎えた。今後の展望を聞くと辻の表情は力強いものに変わった。 「もっと視聴率をとらないといけないと思っています。以前と比べたら格段によくなったし、TVerの登録者数も数倍に伸びている。ありがたいことに世間の評判は上がっている印象ですが、今も数字はそこまでよくないですから」 課題としていた若年層への訴求もできているという手応えはある。視聴率では、2位にまで躍進(男女4~49歳コア視聴率、3月21~27日集計)した。 ただ、まだまだ足りない。当初は一枚岩ではなかった社内も応援ムードに変わったが、もっとやれるだろうという期待も同時に感じるという。 「とにかく番組を知ってほしい。その1年でした。みんなに見てもらうためにどうしたらいいんだろうと試行錯誤した結果、視聴者もスタッフもこの番組を好きになってくれることがいちばん大事だと知りました」 みんなが熱くなれる番組を作る。手探りの末にたどり着いた結論が、いま実を結びつつある。 「番組作りというのは簡単に結果が出ません。数字が出ないとあれこれ言われる。でも、それに振り回されたら、無難な番組になり終わってしまいます。最初の停滞期を経験して、番組を知ってもらうためにどうしたらいいか、ブレずに続けた結果がたまたまうまくいっただけなんです」 番組の形を作って放送するまでが仕事。オンエアが始まったら任せるしかない。ここまで話題になるのはスタッフや出演者の頑張りでしかないと辻は笑う。 「ここでしか見られない番組を作りたい。これからも面白い情報やタレントを探し続けます。『ラヴィット!』って面白いよねってもっと言われたいんです」
--- 辻有一:TBSテレビコンテンツ制作局バラエティ制作二部「ラヴィット」プロデューサー。1983年生まれ。東京都出身。大学時代はラグビーに打ち込み、卒業後にTBS入社。編成を皮切りにスポーツ局などを経験し現職。