意外と知らない「携帯ストラップ」はなぜケータイ文化として廃れたのか
なお「ちゅらさん」はNHKの朝ドラの中でも根強い人気を誇る一作であり、2024年現在はNHK総合などにて再放送中。「ゴーヤーマン」も再ブレイク中であり、マスコットキャラクターのキーホルダーなどがアクセサリーとしていまでも人気を集めています。
携帯電話に「携帯ストラップ」を付けなくなった理由は?
先にも述べた通り、1990年代~2000年代にかけて携帯ストラップは爆発的に流行し「市場から好意的に受け入れられたアクセサリー」だったと言えます。 しかし00年代後半からスマホが普及し始めると、携帯ストラップを目にする機会は急速に減少していきました。その最も大きい原因は、スマホに「ストラップホール」がないことです。 スマホは「薄さ」や「高性能化」を競う一方で、ストラップホールのように「使うかもしれないし、使わないかもしれない」機構は端末そのものからは廃される傾向が強いです。その分、アプリには遊び心があるとも言えるかもしれません。 余談ですが「必要とは言い切れない機構」を廃する傾向は、年々強まっていると言えるでしょう。たとえば、かつてスマホにはイヤホンジャックがあり、イヤホンジャックアクセサリーなどを付けることができました。しかし、近年はイヤホンジャックも廃止の方向に。
スマホは、アクセサリーを付ける方法のバリエーションが「極端に少ない」端末であるとも言えるかもしれません。 ■携帯アクセサリーの人気が「ケース」「スマホショルダー」へ移り変わった ガラケーは良くも悪くも「携帯電話でできること」に限界がありました。つまり、出かける際には携帯電話に加え、手帳や財布など多くの荷物が必要です。よってストラップは「カバンに入れた携帯電話がどこにあるのか分かりやすくする目印」として、留め具的な役割がありました。冒頭でも述べた根付文化と携帯ストラップの親和性は、こうした実用的な面に現れています。 一方で2024年現在は、スマホ一台に「手帳」「財布」などの役割が集約されており、スマホ一台+マネークリップなどで最低限の現金を保有していれば、外に出かけても困る場面は少ないでしょう。 そのため留め具的なストラップより、「スマホそのものを持ち運ぶカバン」としてスマホショルダーの人気が拡大傾向にあります。またあらゆる機能が集約されている「スマホ本体」の故障リスクを軽減し、なおかつ個性を演出するアイテムとしてスマホケースの人気は盤石となりました。 つまり携帯電話の周辺機器に対して求められる役割が、90年代~00年代は「留め具」だったのに対し、2024年現在は「カバン」であり「保護」であると言えるかもしれません。 ■端末の耐久性 携帯電話の周辺アクセサリーに求められる機能が「留め具」から「保護」もしくは「カバン」に移行した、と書くと「いやいや、00年代だって携帯電話が故障したら困った」と思う方も少なくないでしょう。 00年代であろうと、携帯電話の故障が一大事であったことは言うまでもありません。しかし「故障に伴う、金銭的な損失」の額面で考えると、ガラケーとスマホには大きな差があることは否めません。 実は、ガラケーの時代は「端末価格自体が安かった」という特徴があります。たとえばau design projectを代表する「INFOBAR」「talby」の定価はともに1万円台半ばでした。