アトピー性皮膚炎?顔ダニ?アレルギー?花粉症?【顔がかゆい問題を解説!】
原因はわからないけど、顔がかゆくてボリボリ地獄に! 化粧品を変えても解決しないし、原因不明……。皮膚の専門家が詳しく解説します!
お話を伺ったのは
横井 彩先生 日本橋いろどり皮ふ科 クリニック院長 皮膚科専門医、医学博士。自身がニキビに悩んだ経験からスキンケア指導をしたくて皮膚科医になり、化粧品検定1級も取得。アレルギーや敏感肌治療に多くの知見を持ち、スキンケアに悩む人のために化粧品トラブル外来を開設。
“顔がかゆい”症状に悩んでいない?
その『顔のかゆみ』、実は肌荒れです 「顔がかゆくなると多くの人はアレルギーなど直接の原因を探します。でも皮膚科に行っても、直接の原因がすぐにわかることは少ないのです」と、皮膚科医の横井彩先生。ではこのかゆみの正体は? 「ほとんどの場合、肌そのものが健康をそこねている、つまり肌荒れによるかゆみです。肌のバリア機能が低下し、外部刺激が肌へ侵入しやすくなると、かゆみを感じやすくなります。肌荒れが起きている場合、原因が何であれ、早く治さないと皮膚のダメージが蓄積され、色素沈着などの後遺症も起こりやすくなります。まず、顔がかゆいときには敏感肌用のシンプルケアに切り替えて。使用中の化粧品はかゆみが治まって1ヵ月ほど経ってから使い始めるのがよいでしょう。かゆみのない健康な肌に戻ってから、化粧品を楽しんで」
肌荒れで顔がかゆくなるメカニズム
肌荒れで外部刺激に弱くなり、かゆくなる 横井 彩先生 皮膚の角層部分に備わった肌のバリア機能が整っている健康な肌は、外部刺激から肌を守り、内部のうるおいを保っています。一方で角層の細胞にすき間ができ、外部の刺激に敏感になるのが荒れた肌。健康な肌では通さないような花粉などの外部刺激が肌に入り込み、かゆみや炎症に。健康な肌になれば、外部刺激から肌が守られてかゆみを感じにくくなります
顔のかゆみがひどい場合はこんな可能性も!
◆アトピー性皮膚炎 かゆみをともなう湿疹がよくなったり悪くなったりする慢性の皮膚疾患。大人になって症状が改善していても、体質的に乾燥しやすく刺激を受けやすい敏感肌のため、かゆみが出やすい。 ◆かぶれ 金属や化粧品など、何らかの物質に触れることで起こるかゆみをともなう赤みなどの発疹。アレルギー性と刺激性に分類され、自然に治ることもあるが、長引くと色素沈着などの痕が残りやすい。 ◆顔ダニ 毛穴にすむ非常に小さなダニで、ほとんどの人の皮膚に存在していて、皮脂の多い部分を好む。その数が増えすぎると、ニキビや赤み、かゆみなどの症状を引き起こすことがある。 ◆脂漏性皮膚炎 額、眉、眉間、鼻やほうれい線の周囲など、皮脂分泌が多い場所にできる湿疹で、かゆみをともなうことも。皮膚に常在するマラセチアというカビが増えることが主な原因。 ◆じんましん かゆみをともなう赤くふくらんだ皮疹が現れる。食べ物などのアレルギー反応や、寒暖差や発汗などの特定の刺激が原因で起こることもあるが、原因がはっきりわからない場合も多い。 Edited by 岡部 奈央子
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