高齢親の「実家の片づけ」で失敗しないコツ4つ。捨て活の強要はNG
いつでも初心にかえるための「心がまえ」
実家の片づけで失敗した経験をもつ、整理収納アドバイザー・ふくぴいさん。経験上、実家の片づけを「始める前の心がまえ」として必要なことが3つあるそうです。 ひとつ目は「親の住まいであることを忘れない」ということ。次に、目的はすっきりさせることではなく「安全」や「分かりやすさ」。最後に、すぐに結果を求めず「長期戦で考える」ことです。 今も実家の片づけをしていますが、うまく進まずモヤモヤすることもたくさんあります。そんなときは、この3つの心得を思い出します。
思い出のものがある場所はまず避ける
高齢者にとってものの多さ=安心となっている場合もあるので、片づけ当初は捨てることにフォーカスせず慎重に進めました。 そこで、思い出のものが少なく日用品などの生活雑貨が収納されている階段下からスタート。最初に取りかかったことは、いろんな場所に点在していたものを1か所にまとめていく作業です。 洗剤や掃除道具、ゴミ袋がまさにそれ。一緒に使うものをできるだけセットにしておき、動線を考えるとよりいいです。整理収納の仕事においても、1か所にまとめる作業は捨てることが苦手な人に対して、よい準備運動になると感じます。
ものであふれた実家、一緒に片づけるならどこから?
「今までなんとなく考えていた親の介護問題が、急に現実味を帯び始めました」。そう語るのは、現在50代で団地ひとり暮らしを楽しんでいるブロガー・きんのさんです。 年数回程度しか行かなかった実家によく訪問するようになったら、ものが多い環境を「このまま放置しておいて本当に大丈夫?」と以前にも増して心配になりました。高齢ですり足歩行、なにもない場所でもよろける親の様子から、いつどこで転倒してもおかしくない状態がよくわかってきたからです。 「自分でやるからほっといて」と片づけを拒む親と「危険だから片づけたい」娘。少しでもリスクを減らしたくて、口げんかしつつも一緒に片づける方向に舵を切りました。
親が困っている場所から片づける
自分のテリトリーを勝手に荒らされるのは嫌と思っている親でも、歳を取るにつれて生活に支障が出ている場所や暮らしにくさを感じるところがあるはず。 親の要望を聞き取り、安全に使いやすく片づけることで「片づけると暮らしやすい」と肯定的な気持ちを持ってもらえるようにスタートすることが肝心です。 私の場合、最初の片づけは玄関でした。狭い玄関スペースにあけにくい扉の靴棚があり、奥になにが入っているのかもわかりません。靴棚の周辺には杖や手袋、園芸用品、マスクなどがごちゃごちゃ置かれていて使いづらい様子でした。 外出時に必要なものをパッと取り出しやすいようにすべてを見える化し、よくはく靴だけを玄関に置くことですっきり片づきました。親の困りごとの解消ついでの片づけなら協力も得やすく、「使いやすくなった」と高評価で次の片づけに繋がりました。