足がつる、つまづきやすい…更年期に注意したい筋力・骨量の低下。
40代、50代は心も体も寛容性がなくなっている。気になる症状が2週間以上続いたら、迷わず受診を。
病気というほどではないけれど、日常的に小さな不快、不調な症状が目に見えて増えていく更年期以降。 「20代、30代と年齢が上がるにつれ、体の回復を促す成長ホルモンの分泌が低下していきます。さらに、更年期になると追い打ちをかけるように、女性ホルモンの分泌が激減。次第にムリが利かない体になってきますし、不定愁訴と呼ばれるさまざまな不快な症状が起こりやすくなります」と、女性の体の健康を守る“家庭医”として提言も行う、内科医の常喜眞理さん。 閉経を迎える50代になると、今度は“加齢”の影響も大きくなる。 「加齢で体や脳が老化し始めると、外部からくる変化や刺激に素早く対応する体の『寛容力』も次第に失われていきます。若い頃は放っておいてもおさまった症状も体が耐えられなくなり、症状が頻繁に起こったり長引いたりするようになるのです」 ただし、加齢による体の変化を否定的にとらえる必要はない。 「遅かれ早かれ、誰にでも加齢による老化は訪れます。その変化を慌てず恐れず受け止めて、体の次のモードに向けて備えていけばいいのですから」 対策は、どんな不調も生活習慣を整えるためにバランスのいい食事、適度な運動、充分な睡眠をとることが基本。 「ただ、小さな不調といっても2週間以上症状が続く場合は、クリニックを一度受診を。症状によっては検査をしたり、長引かせないように薬などを使って対処していくことができます」
イラストレーション・浅妻健司 文・小沢緑子
『クロワッサン』1104号より
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