「トレンド1位、いただきました!」箱根駅伝5区“例のポーズ”がSNSで話題沸騰…早大の“山問題”を解決「山の名探偵」まさかの名付け親は…?
夏合宿からすでに「山上り対策」を…
今シーズンは箱根5区にかける思いが強く、早い時期から準備を重ねてきた。 例えば、北海道・紋別で行った夏合宿ではこんなひとコマがあった。それは合宿最終日の朝練習のことだった。 前日に16kmの変化走という負荷の大きい練習を行っていたため、その翌朝は各自でジョグをすることになっていたのだが、工藤は山上りの練習を志願。花田監督は「無理はしなくてもいいよ」と諭したが、工藤は敢行した。 長めのジョグをした後、標高334mの紋別山の山頂付近にあるオホーツクスカイタワー(※テレビの電波塔を兼ねた展望塔)に向けて上り一辺倒の山道を走った。ハードな練習を行った翌日にもかかわらず、朝から2時間超も走っていた。 また、山を攻略するためのギアも準備していた。 シューズは、山上りに特化したものを着用。メーカーが試作を重ねて開発した一足で、上りでも平地を走るのに近い感覚を得られたという。また、防寒具を集め、中継所で前の走者を待つ間に体を冷やさないように努めた。 山の名探偵は、1秒でも速く芦ノ湖に辿りつくために、こんな細やかな工夫を周到にしていた。 箱根の山で強さを見せた工藤だが、今季は山に限らず、平坦な路面でも活躍を見せてきた。 アンカーを任された出雲駅伝では区間2位と快走。青学大の“駅伝男”太田蒼生や駒澤大のエース・篠原倖太朗に区間タイムで勝利した。 同じく最終区を担った全日本大学駅伝でも区間3位と好走。城西大のキャプテン・平林樹を逆転して、さらに突き放す活躍を見せた。 「平地の走力が付きました。全日本大学駅伝の後から、さらに練習ができるようになっていたので、平地の能力、いわゆる有酸素能力が高まったことが大きい」 上りの適性だけでなく、磨き上げた走力が、箱根の5区攻略には役立った。
名探偵の「花の2区」はある?
となれば、次回以降は花の2区候補にも挙がりそうなものだが……。 「もし山以外を走るなら2区なのかな。今回、創価大学の吉田響さんも、5区を走ればかなり良い結果が出たと思いますが、2区でイェゴン・ヴィンセントさんの記録を超えました。ということを考えると、(ラスト3kmで待ち受ける)戸塚の壁でアドバンテージを取れる2区もあるかもしれません。とはいえ、5区を69分30秒で走れる人をもう一人作らないといけないので、なんだかんだ言って、自分が上り続けるような気がしますが」 早大にはエースの山口智規がいるが、工藤も少しだけ2区への意欲を口にしていた。しかしながら、工藤が言うように、5区を走るほうがチームには大きなアドバンテージになるだろう。 チームはトップ3を争えるところまで来た。来年度には、工藤の八千代松陰高の後輩で超高校級の鈴木琉胤も入学する。山問題を解決した今、早大はいよいよ箱根の頂点を見据える。山の名探偵の走りが見られるのはあと2回。 もっとも、工藤にとって愛着ある二つ名は、“4代目・山の神”に変わっている可能性もあるが……。
(「箱根駅伝PRESS」和田悟志 = 文)
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