《保険の見直し》ポイントを解説 真っ先に不要になるのは「死亡保険」、医療保険は特約に注目、“解約してはいけない”保険も
「満期が近い」なら持ち続けるべき
解約すべき保険がある一方で、早計な判断は禁物だ。山中さんが指摘する。 「子供が巣立ったら、死亡保険は不要といわれますが、収入が少なく貯蓄が乏しいのであれば残されたパートナーのために継続するという選択肢はあります。 また、死亡保険金は税金の支払いに回すことができるため、相続税の納付資金として加入しておいてもいい」 松浦さんは、「加入して日の浅い貯蓄型の保険もやめてはいけない」と続ける。 「保険商品は期間の経過とともに解約返戻率が上がっていくので、加入して日が浅いと率がかなり低い。すぐにやめると、それまで払った保険料を損するだけです。 ただし、このまま加入し続けても利率が低くてほとんど増えないなど、運用効率が悪い場合は、その商品を解約し、予定利率の高い商品に乗り換える手はあります」 同様に「保険料払込の終わり近い保険」も手放してはいけない。50代以上になると、加入していた保険の保険料払込期間を終える人も多い。払込期間満了が近いなら、保険料を最後まで払い終えて、持ち続けておくべきだ。 「終身保険なら、払い込みが終わってからも保障は一生涯続くので、“無料の保障”が得られるようなもの。絶対にやめてはいけません。医療保険やがん保険など、老後にこそ保障が必要になる保険に加入していて払込期間満了が近いなら、なおさら持ち続けましょう」(松浦さん)
絶対にやめてはいけない「お宝保険」
どんな人でも、どんな場合でも絶対にやめてはいけないのが「お宝保険」。ファイナンシャルプランナーの牧野寿和さんが言う。 「いわゆるバブル期から、2000年代までの貯蓄型の保険は予定利率が高く、1990年代初めなら5%、1995年前後でも2~3%、2000年頃でも1%ほどはありました。それ以降の新しい商品は1%未満なので、2%以上なら解約しない方がいいでしょう」 ただし、利率を追い求めすぎるのは危険。日本の金利が上昇傾向にある中で、「いま入っている保険は金利が低いから、もっと金利の高い新しいものに入り直そう」と、解約するのはおすすめできない。 「どの貯蓄型保険も、早期で解約すると返戻率が低いので、損になりかねません。いまより返戻率の高い保険に入りたいなら、古い方は持ったまま、追加で新しく入る方がいいでしょう」(松浦さん) ※女性セブン2025年1月2・9日号