健康のバロメーターは「声に張りがある」こと、中尾ミエが「70歳を過ぎても現役」でいるための心得とは
和田 そのスタンスをごく早い時期に、上手にお使いになられている印象があります。現在、中尾さんと同年代の方でそのようなスタンスの人はわりと少ないのではないかなと。美川憲一さんも独自のスタイルがありますけれども、同年代ですよね? 中尾 同じぐらいです。団塊の世代でも元気なほうですしね。変に嫌われたくないと考えていると、どうしても守りに入ってしまうでしょう。 和田 嫌われたくないという生き方をすると、逆に個性がない人になってしまうと思いますよ。でも年を取ってくると、みんなに合わせて無難なことを言っている人よりも、ちゃんと一家言あって、自分の意見を言う人のほうが頼りになる気がするんですが、いかがでしょうか。
中尾 頼りになるかどうかで言えば、やはり現役でいないと説得力もないし、周りも受け入れてくれないでしょう。ただ好きなことを言っているだけでなくて、それなりの努力は必要かなと思いますね。 和田 もちろん、それはそうですよ。 中尾 だから、それをキープするのもけっこう、大変は大変です。 ■一生元気でいようと思うならば、楽はできない 和田 女性の場合、見た目などの美容にしろ、ファッションにしろ、いろいろと努力しなければならない問題もあるでしょうけれども、男性の場合はきっと話が面白いかどうかでしょうね。もちろんそれは女性にも言えることでもある。だから、女の人は二重で現役でいないといけないから大変だろうと思う。
中尾 私は中学までしか出ていないんですよね。若い頃は“学問なんて必要ない! ”なんて大見得を切ってきましたが、やはり年を取ってくると教養や知識は必要です。 和田 知識といっても、私の場合、学生の頃の「勉強」で得た知識よりも、医者になってから得た知識のほうがずっと多い。あるいは他の社会人経験、文筆業をやりながら学んだことのほうが大きいですね。中尾さんにしても、中卒だからって、その後で得た知識があるから、いろんな人と対等に話すことができるわけですよね。