【元警察官】が答える!「赤切符って、そんなにヤバいの?」青切符との違いを知り、安全に走る意識を高めるのが◯
青切符でも「罰金」を徴収される? 納得できない場合はどうする?
青切符の対象となる違反を犯すと、告知書と一緒に「仮納付書」が交付されます。期限内に銀行・郵便局の窓口でお金を納付すれば刑罰は受けません。 お金を納付することから「罰金」だと勘違いしている方も多いようですが、ここで納付するのは「反則金」という行政上でのペナルティであり、刑罰である罰金とは異なるものです。反則金を納付しても警察には交通違反歴が記録されますが、赤切符の対象となる違反のように刑事上の前科はつきません。 また、青切符の対象となる違反には「違反点数」が加算されます。点数の累積が一定を超えると運転免許の取消し・停止といった行政処分を受けるという点は赤切符と同じです。たとえ軽微な違反でも、短期間に繰り返して違反行為をはたらくドライバーは処分を下して交通社会から排除されてしまいます。 なお、青切符の対象となる違反でも、違反を告知されたことに納得できない場合は正式な刑事手続きに移行してもらうことも可能です。この場合は反則金を納付する必要がありません。 ただし、刑事手続きが進んで違反の事実が証明されると、有罪となり刑罰を受けるおそれがあります。実際に違反を犯したのであれば、無用に抵抗せず素直に青切符で処理してもらったほうが賢いといえるでしょう。
赤切符を切られた! 免許証を取り上げられるってホント?
日常的におこなわれる交通取り締まりでは、青切符の対象となる違反で検挙されるケースが大半です。 内閣府による令和6年版の交通安全白書によると、令和5年中に赤切符・青切符の対象となった取り締まり件数は448万4,894件でしたが、うち431万5,982件が青切符でした。青切符の対象となった件数の割合を反則適用率といい、令和5年中の反則適用率は96.2%です。 つまり、赤切符の対象となった取り締まりはわずか3.8%なので「青切符は切られたことがあるけど、赤切符を切られたことはない」というドライバーは多いでしょう。 赤切符の対象となる違反は重大なものばかりで、ほぼ確実に免許取消し・停止の行政処分を受けます。こういった制度なので、赤切符を切られると「運転免許証を取り上げられて、その日からクルマを運転できなくなる」と不安になっているドライバーも少なくないでしょう。しかし、実際にはかならず免許証を取り上げられるわけではありません。 まず、免許取消し・停止といった行政処分は、違反者本人の言い分を聞く機会である「意見の聴聞」を経ないと下されないことになっています。手続きなしでは行政処分を受けないので、いきなり免許取消し・停止にはなりません。 また、運転免許証については、法律には「免許証の提出を求めてこれを保管することができる」(道路交通法第109条1項)と明示されているだけです。出頭を確保するために免許証を預かることがあれば、出頭を通知して刑事手続きを進めればよいので免許証を預かる必要はないと判断されることもあります。 ただし、免許証の預かり・保管の有無にかかわらず、無免許運転や飲酒運転などはそもそも運転行為が許されません。そのままクルマを運転して帰ることは許されないので、家族を呼んだり、運転代行を依頼したりといった対応が必要です。