【富士山女子駅伝の展望】「名城vs.立命館」が中心か、大東文化には爆発力 不破聖衣来の走りも注目
『全日本』では、1区で太田咲雪(2年)が2位で襷を繋き、2区・山本釉未(1年)が区間賞の走りでトップに立つと、3区・村松も貫禄の区間賞で差を広げて、最後まで先頭の座を譲らなかった。結果として6区間中3人が区間賞、残りの3区間もいずれも区間3位以内の走り。『富士山』でも同じ“先行逃げ切り”の形に持ち込めるか。名城大と立命大のどちらが前半戦でトップに立てるかが、非常に重要かつ大きな見どころになる。力的には互角。あとは“流れ”をどちらが向くかだろう。 この“2強”に待ったをかけるのが、今年3月の日本学生女子ハーフマラソンで優勝したエース・野田真理耶(2年)とケニア出身の“怪物ランナー”サラ・ワンジル(2年)を擁する大東文化大だ。エース2人も含めて、昨年は『全日本』、『富士山』ともに1年生ランナーが5人出走した中で2位、3位という好結果を残している。 迎えた今年の『全日本』も2位フィニッシュとなってトップの立命館大とは1分03秒の差があったが、大東文化大のタイムも大会新記録であり、3位の城西大とは1分35秒、4位の名城大とは1分56秒差をつけた。選手個々の経験値も昨年より高くなっており、“3強”と言っていい強さ、そしてワクワク感が今のチームにはある。 ここに『全日本』では9位に沈んだが、世代トップの実力を持つ山﨑りさ(4年)に嶋田桃子(4年)、齋藤みう(4年)と最上級生に力のあるランナーが揃っている日本体育大が絡めるか。下級生の好走が光って『全日本』で3位に食い込んだ城西大も上位候補になる。しかし、期待度と注目度が高いのが拓殖大であり、大学最後の駅伝に臨む不破聖衣来(4年)である。 3年前の2021年、不破は10000mで現在の日本歴代3位(U20日本新記録、日本学生新記録)のタイムを叩き出すとともに、『全日本』では5区で6人抜き、『富士山』では5区で10人抜きで、ともに区間新記録という“異次元の走り”を披露して一躍スターダムにのし上がった。