考察『光る君へ』12話 倫子(黒木華)はついに道長(柄本佑)と!庚申待の夜だもの、まひろ(吉高由里子)は朝まで飲めばいい
見事な浴びせ倒し
道長、まひろと別れたその足で左大臣家へ直行。 穆子の「文も寄越さずなんてこと……いいわ、入れておしまい」 そう、正式に婿となるなら手順というものがある。突然やってくるのは、かなりの暴挙。穆子が娘の気持を第一に考え、そして肝の座った母親だったから道長が助かった形だ。 では、大臣家の娘の結婚、親が許した婿取りはどういった形で進むのか?これは『源氏物語』第33帖・藤裏葉をお読みいただきたい。『栄花物語』や、先に述べた『落窪物語』にも、貴族の結婚についての様子がわかる一節がある。 そして、ドラマでは……道長が倫子に御簾越しに、 「お傍に寄ってよろしゅうございますか」 親の了解のもと、娘本人に許可を得てから、そっと触れる。人知れず廃屋に呼び出し、荒々しく抱き寄せて口づけした、まひろとの違いよ……尊重される身分の差、そして情熱の差。 御簾を押しやる指先まで優雅で冷静で、そこに熱さはない。 まひろと倫子、どちらの立場も思ってしまう。泣きそうだ。 そして手を握られた倫子は、抱き寄せられる前に自分から押し倒す。見事な浴びせ倒しであった。まひろの気持を思うと辛いけれど、それはそれとして欲しいものは自分から取りにゆく姫。そうこなくっちゃ、こちらの気も晴れない。
庚申待の夜だもの
まひろの大失恋のやけ酒。 恋文を読んで駆けだしていったまひろが、憔悴しきった顔で戻って来たのに何も問わず、笑顔で迎えてくれる惟規と、さわ。ふたりがいてくれてよかったね……庚申待の夜だもの、朝まで飲み明かせばいい。 次週予告。定子、本役・高畑充希が登場! 少年帝と女御のかくれんぼ。道長が陣定に参加してる、昇進した。実資、髭が生えて平安貴族完全体へと進化。兼家、自らの寿命を意識する。賢く勘がよい倫子には、いずれ気づかれると思ったが、早くもバレた? 取っておいた文からバレるのは女三宮の逆バージョンか。 第13話も楽しみですね。