注目のオルタナティブ・ロック・バンド、ニューダッド(NewDad) ピクシーズやザ・キュアーからの影響を語る
――そういえば、「Madra」のリファレンスとして、ピクシーズの「Doolittle」と共にウィーザーのファーストを挙げていましたね。リブァース・クォモの詩はナーディーというか……。
ジュリー:うん、わかります(笑)。
――(笑)なので少し意外な気もしたんですが、あのアルバムのどんなところに繋がりを感じていますか。
ジュリー:学生の頃に大好きだったバンドの一つなんです。16歳のときの私は、とにかくクールになりたくて、誰にどう思われても気にしない!みたいな感じで。既存のルールにとらわれず、周囲の目を気にしないような自分になりたかった。ウィーザーみたいな“スラッカー・ロック”はまさにそうした私の心情を代弁した音楽で、友達のパーティーで彼らの「Undone – The Sweater Song」を初めて演奏した時の興奮は今もはっきりと覚えています。
私が書くギター・ラインの多くは彼らの音楽から生まれたもので、とてもシンプルだけど彼らの楽曲に込められた世界観は、私自身のアイデンティティーの形成に大きな影響を与えています。自分たちがどうありたい、どんな音楽を作りたいかを模索しているとき、その初期の段階で彼らからたくさんのインスピレーションをもらったんです。
ポップミュージックとの関わり
――一方で、ニューダッドはチャーリー・xcxのカバー(「ILY2」)やピンクパンサレスのリワーク(「Angel」)もやっていたりと、今のポップ・ミュージックへの関心も窺えますが、そのあたりはいかがですか。
ジュリー:ポップ・ミュージックは大好きです。最近は自分が書く曲もだんだんとポップな要素が強くなってきたように思うし、大衆に広く受け入れられるものって確立された構造や巧みな表現技法があって、やっぱりよくできているというか(笑)。例えばチャペル・ローンみたいなアーティストを見て、自分ももっとうまく歌いたいって思うし、学ぶことがたくさんあって、何より聴いていて楽しい。それにライブの前とか、気難しいロックを聴くよりもチャーリー・xcxみたいなポップ・ミュージックを聴く方が気分転換になるし、パフォーマンスも上がる気がする。結局、私ってどんなものでも音楽は好きだし、自分の中でジャンルの区別ってないタイプなんです。