今年新たに誕生した【日高山脈襟裳十勝国立公園】 沢を詰め急登のすえに辿り着く「楽古岳」
今年新たに誕生した国立公園の日高山脈襟裳十勝国立公園。この日高山脈主稜線の南端の山といわれるのが楽古岳(らっこだけ・1,472m)。奥深く、自然にあふれた日高山脈故に、登山道のある山が非常に限られる。登山道といっても、沢を詰めて、急な尾根を登っていく日高スタイルとも言うべき登山ルートはかなりの登り応えだ! ◆【画像】日高スタイルで登る! 日高山脈主稜線、楽古岳(すべての写真を見る)
■日高山脈襟裳十勝国立公園の山々
国内最大の国立公園として、今年新たに誕生した北海道の日高山脈襟裳十勝国立公園。その中の日高山脈は、南北におよそ140kmに及ぶ長大な山脈。最高峰は幌尻岳(2,052m)で、日本百名山の山としても有名だ。 日高の山々の特徴は、奥深く急峻であるがゆえに手つかずのまま残った原始性にある。そのため登山道のある山は少ない。また、登山道といっても一般的な整備された登山道とは異なり、沢登りの要素や藪漕ぎなどを含む道が多い。そのような日高山脈の主稜線において、登山道がある南端の山が楽古岳。日高の山としては楽に登れる方だが、一般的な感覚ではかなり大変な山だ。
■楽古岳登山へ
楽古岳の登山口は、国道236号線から林道を9kmほど進んだ先にある。登山ポストのすぐ先、まずは橋のない川を渡る徒渉からスタートする。 いきなり道が途切れるルートに面食らう登山者も多い。増水していなければ、うまく飛び石を使って渡れるが、ここを渡れなければ先へは進めない。いきなり日高の洗礼をうけるような登山道だが、道路が山奥まで作られていない日高の山では沢筋をうまく利用して登る山が多い。楽古岳の登山道も序盤は6回ほど徒渉して、尾根に取り付く。
■標高差1,000mの急登!
最後の徒渉を終えると、楽古岳への尾根に取り付く。序盤からいきなりの急登だが、この急斜面は延々と続く。「山を歩く」ではなく、まさに「山を登る」。そんな言葉がぴったりの登山道。山頂までの標高差は尾根取り付きから約1,000mだが、肩までの標高差800mほどはずっと急登が続く。 途中水場はなく、休憩に適した平坦地や見晴らしの良い場所もほとんどない。下山のことを考えて、余力を残して登りたい。崖ではないが、転げ落ちると止まらない斜度が続いている。