性の多様性、絵本通し学ぶ 「松阪をお手伝いし隊」松阪図書館で開く
松高生が朗読担当
松阪地域のまちおこしなどに関わるボランティア有志団体「松阪をお手伝いし隊」(沼田英士代表、約15人)はこのほど、三重県松阪市川井町の市松阪図書館で、「多様性ってなんだろう?と考える会」を開き、実際にあった出来事を基に制作された絵本「高校生がトランスジェンダーから学んだこと」の朗読やディスカッションを通じて多様性やLGBTQについて考えた。 絵本は、出生時の性別と自分が認める性別が異なる「トランスジェンダー」への理解を深めてもらうため、当事者の生徒と私立高田高校放送部員らを中心につくるボランティア団体「NFT」が制作した。幼い頃から性の多様性について考え、正しい知識を身に付けてもらうため、実際の体験をイラストなどを交えて分かりやすく紹介している。 この日は、制作に携わったNFTに所属する高田高校と、絵本朗読を担当した県立松阪高校放送部員ら約20人が参加。初めに松高放送部が絵本を朗読し、その後、沼田代表(47)がさまざまな例を挙げながら多様性について解説した。また実際にトランスジェンダーであることを公表している「みか」さんをゲストに招き、カミングアウトするまでの苦悩や今の気持ちなどを赤裸々に語った。 朗読を担当した松高放送部2年・谷口文明部長は「多様性に対する見方が変わった。これからは自分の素のままに接していけたら」と話した。また高田高2年・伊藤美咲さんは「多様性について考えさせられる時間になった」、同・中尾美咲さんは「普段の授業では聞くことができない話を聞けて多様性への理解が深まった」、同・園賀衣さんは「物事をいろんな方向から見ていないことに気付くことができました」とそれぞれ話した。