甘利大臣辞任会見(全文3)500万円のうち300万円をA秘書が私的に費消
金銭授受疑惑が報じられている甘利明経済再生担当相が28日午後5時から記者会見し、自身の疑惑について事実関係などについて説明。寄付として秘書に適切に処理するよう指示したものの、業者から計100万円が渡ったことを認め、「秘書のせいと責任転嫁できない。閣僚の職を辞する」と辞意を表明した。
500万円のうち300万円をA秘書が私的に費消
秘書らの対応につきましては現在も調査をしてもらっているところであり、URなどとのやり取りの内容についても今後明らかになると思います。ただ、現時点では先ほど説明したとおり、A秘書が寄付として受領してしまった300万円を費消してしまったことが明らかになっています。さらに、A秘書とB秘書からは、総務担当者やS社社長から飲食や金銭授受などの接待を多数回にわたり受けている事実は認めているとのことであり、調査をしている弁護士を通じて両名から辞表が提出されました。今後も調査は引き続き行いますが、辞表は本日付けで受理することといたしました。 そして、総務担当者およびS社からの政治献金につきましては、選管などとも相談をした上で、全て返金するよう事務所に指示をしました。また、今回の報道後、調べてみて初めて分かったことですが、信用調査会社によれば、S社は3年連続赤字企業である恐れがあり、そうであれば総務担当者やS社は政治資金規正法の22条の4に違反する寄付をしたことにもなるので、その観点からもただちに返金をするよう指示をしました。 今回の報道があってから、A秘書に対しましてS社社長から毎日のように、口裏合わせをしようとの電話があったとの報告を受けています。S社社長からは次の内容の電話があったとのことです。たくさんありますが、いくつかご紹介をいたします。 「口裏合わせはなんでもいいけどさ、じゃあ独り言を聞いてくださいよ。もしちょっと動いてみて、大臣が口利いてでも、もしうまくなるようであればその返事をいただいて、正面、絶対出さないけれどもなんとかなるっていうふうにやって、言ってくれれば絶対止める。ただ最後は、例えばですよ、記事が出たとしていろいろ迫られますよね。でも、一色がいなければ、一色が出てきて、いや、実を言うと内輪もめでありもしないことを言ったって言えば済む話になると思いますよ」。 もう1つ、紹介します。 「俺、一色がしゃべってるだけだったら証拠が薄いと思いますよ。それは話しているだけであって、実はないと思いますよ。私、確信持って言いますよ、あのA秘書さんたち、あきらめるの早いんじゃないですか。ないと私は踏んでますよ。なぜかって言うと、私、録音持ってませんかって聞かれましたもん。大臣室での話とかなんか録音したのありませんかって聞かれましたもん。俺、持ってませんよって言いましたもん。俺にもよく言ってくる、録音してありますかって言ってきたけども、じゃあ聞かせてよって、はいって言って、俺、1回も聞いてないよ。一色が言うには、解決すれば自分が出て行って頭を下げるって言ってるんだよ。私が虚偽で言いましたって」などと言ってきているとのことです。 なお、当然のことながら、A秘書はS社社長の誘いには乗っておりませんし、本日説明したとおり、S社社長が大臣室に持参をした50万円の授受についても、調査の中で説明をしているところであります。 今回、私の秘書のUR関係の件につきましては、今回の記事を読んで初めて知り、愕然といたしました。秘書が疑惑を招いていることについて、監督責任を重く受け止めております。現在、さらなる調査を進めておりますが、多数の関係者からヒアリングを行う必要があることから、一定の時間がかからざるを得ないということをどうかご理解をください。 このように、私が受理をした2件の献金は政治資金として処理され、政治資金収支報告書に記載されていたと、第三者である弁護士から報告を受けました。以上で私の報告を終わりますが、今般の私を巡る週刊誌報道によって、国民の皆さまにご心配をお掛けしましたことについておわびを申し上げますとともに、国民の皆さまに対しても多大なご迷惑をお掛けしたということをおわびを申し上げます。