こんな日本映画、見たことない! 最低ヒロインを演じる河合優実の存在感がスゴイ! カンヌが認めた映画『ナミビアの砂漠』
まったく共感できないのに最後は応援している驚きの映画!
今年のカンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞に輝いた山中瑶子監督の『ナミビアの砂漠』。暴走するはた迷惑なヒロインを演じるのは今、最も注目すべき女優、河合優実だ。 【写真10枚】河合優実主演の問題作『ナミビアの砂漠』の見ると何やら背中がゾワゾワするスチール写真を公開! ◆まったく共感できないのに…… 若手が世界に羽ばたくための登竜門として知られるカンヌ国際映画祭の「監督週間」に出品され、見事、国際映画批評家連盟賞に輝いた山中瑶子監督。受賞作『ナミビアの砂漠』は、27歳の彼女が手掛けた初の長編映画である。 19歳の時に自主制作した中編『あみこ』がベルリン国際映画祭などに出品され、世界的な注目を集めた山中監督。前作ではニヒリストの女子高生がヒロインだったが、本作の主人公カナは人生に退屈しきっている21歳の女性だ。 この主人公、何事にもやる気がないだけでなく、同棲する彼氏には平気で嘘をついて浮気をする。乗り換えた男に対しても気分任せで罵倒し、時に暴力さえ振るう。正直、共感できる要素が皆無なのだが、それでいて不思議なことに、気がつけば彼女の一挙手一投足から目が離せなくなる。逞しささえ感じるようになる。カナを演じる河合優実の圧倒的な存在感。そして日本映画には珍しい、このとんでもないヒロインを暴走させる山中監督のエネルギーとセンスに脱帽だ。 ■『ナミビアの砂漠』 2017年に自主制作した『あみこ』で、ぴあフィルムフェスティバルのPFFアワード観客賞を受賞した山中瑶子監督。その後、作品はベルリン国際映画祭、香港国際映画祭、全州国際映画祭、カナダ・ファンタジア映画祭などで上映され、さらなる注目を集めた。型破りなヒロイン、カナを演じるのは『あんのこと』、『ルックバック』など、映画界からも引っ張りだこの河合優実。実はデビュー前の高校3年生の時に山中監督の『あみこ』を観て刺激を受け、監督本人に『女優になります。いつか出演したいです』と伝えていたという。137分。配給:ハピネットファントム・スタジオ (C)2024『ナミビアの砂漠』製作委員会 TOHOシネマズ 日比谷ほか全国でロードショー中 文=永野正雄(ENGINE編集部)
ENGINE編集部