警察官はなぜ隠れて交通取締りをするの? ネズミ捕りに合わないためのポイントは?【元警察官が解説】
警察官やパトカーを見かけると、安全運転をしていてもドキッとするときがある。そのぐらい、警察というのは抑止力として機能しているが、ネズミ捕りと呼ばれる交通取締りとなると、なぜか逆に姿を隠していたりする。これはなぜなのだろうか? その実態を元白バイ警官の宅島奈津子さんが語る。 【画像】[SCOOP!] ホンダ新型CB400の装備&デザイン大胆予想
交通取締りが行われている場所
安全運転を心がけていても、パトカーや白バイの姿を目にすると、必要以上にドキッとしたり、速度メーターを確認したりするといった経験がある、ドライバーやライダーは少なくないのではないでしょうか。現役の警察官でさえ、プライベートで運転する際は、そういった気持ちになるものです。それにしても、警察官はどういったところで交通取締りを行っているのでしょうか。 言うまでもなく、警察官は、交通事故の削減や交通違反の防止を目指しているわけです。ということは、必然的に交通事故や交通違反の多いところで、重点的に取締まりを行っている、ということになります。他に、速度を上げやすいところでもよく見かけますね。 それは単に、「取締りがやりやすいから」とか「違反者を捕まえやすいから」といった理由からではありません。違反の対象となり得るドライバーやライダーからすると、そういった気持ちになるのも無理はありませんが、前述したように、一番の目的は交通事故の削減のためなのです。
ネズミ捕りは警察用語じゃなかった!?
そもそもなぜ、「ネズミ捕り」と言われているのでしょうか。じつはこれ、警察用語ではなく、警察官が業務中に口にする言葉でもありません。あくまで俗語。速度を測定する機器が、ネズミを捕獲する罠のようにたとえられるようになったのが由来、と言われています。
どうして隠れて取締りをするの?
パトカーや白バイ、警察官の姿は、交通違反の抑止力です。「それなのに隠れてしまったら元も子もないじゃないか!」といった意見はもっともなのですが、きちんと理由はあります。それは、悪質な違反者を捕まえるため。 なぜなら悪質な違反者は、捕まらないための運転をしています。彼らは警察官がいないところ、見ていないところであれば、違反してもいいと思っているわけです。要するに、警察官がいるところでは安全運転をするということですね。 こういった違反者を捕まえるために、警察官は姿を見せずに取締りを行っています。交通事故削減のために、交通違反防止のためにこうしたスタイルで行われているのです。 実際、違反者側の言い分には、「警察官がいたら停止したのに」、「気を付けたのに」といった声が多いです。これは逆に言えば、「警察官がいないから停止しない」ということ。これらの交通違反は、警察官が「違反しそうだ」と未然に防げるものではありません。