ビットコイン保有のセムラー・サイエンティフィック社の株式、オプション取引可能に
今年ビットコイン財務戦略を採用した医療機器メーカー、セムラー・サイエンティフィックの株式がオプション取引で利用可能になった。 これは、ビットコイン(BTC)へのピボットと資本調達のイニシアティブによって、同社の株価が6カ月間上昇した後のことである。 セムラーは同社が適格要件を満たしているとして、12月5日にオプション取引所に対し、オプション取引の承認を要請していた。 正式な発表はされていないが、米国時間12月17日の朝に証券会社の口座を確認したところ、オプション取引が可能であることがわかった。 オプションとは、投資家に対し、ある期日までに指定された価格で株式を売買する権利(義務ではない)を与える金融契約である。株式オプションの導入は、投資家にリスクヘッジや値動きへの投機のための新たな手段を提供する。 オプション市場が成立するために必要な要件としては、最低株価が3~5ドル(約459~765円、1ドル=153円換算)程度、最低時価総額が7500万ドル以上、1日あたり50万~100万株程度の十分な取引量があることなどが挙げられる。さらに、最低公開株式数を満たすことと、十分な株主数が必要である。 セムラーの株価は、5月28日に最初のビットコイン購入を公表して以来、16日の終値でほぼ3倍の74ドル以上となっており、時価総額は6億ドルを超えている。SMLRは火曜日の市場前取引で5%上昇し、78.20ドルとなっている。 同社は最近、「S-3」一括登録に基づく2回目の目論見書補足書類を米証券取引委員会(SEC)に提出し、既存のアット・ザ・マーケット(ATM)プログラムによる株式売り出しが5000万ドル追加され、総額は1億5000万ドルになった。同社は現在までに、ATM発行により約1億ドルの資金を調達している。 セムラーは現在までに2084ビットコインを1億6860万ドル(1BTC当たり平均約8万1000ドル)で取得している。これは、ビットコインの最近の価格約10万6500ドルで約2億2200万ドルの価値がある。 セムラーは、ビットコインを大量に保有するマイクロストラテジー( MicroStrategy)が、BTCをさらに蓄積するための資本を調達しようと転換社債を発行して達成した成功を再現しようとしているのかもしれない。 転換社債の発行は、既存株式の即時希薄化を引き起こさないことで、株式発行よりも魅力的な現金調達の方法となり得る。 セムラーが期待している活発なオプション市場は、投資家が簡単にヘッジすることを可能にするため、潜在的な買い手にとって転換社債をより魅力的なものにする。 |翻訳・編集:山口晶子|画像:Semler Scientific|原文:Bitcoin Holder Semler Scientific's Shares Now Available for Options Trading
CoinDesk Japan 編集部