JR西日本新快速の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない!
速さと利便性の革新
JR西日本の新快速は、安くて速い鉄道サービスの代表的な存在だ。 その歴史は長く、国鉄時代に画期的なサービスとして誕生し、京阪神地区の主要な交通手段として、また青春18きっぷを使う旅行者にとっても欠かせない列車となっている。 【画像】「えぇぇぇ!?」 これがJR西日本の「平均年収」です! グラフで見る(12枚) 今回は、筆者(山本哲也、交通ライター)が新快速を「やばい!」と思う四つのポイントを解説する。
やばいポイント1「速達性とわかりやすさ」
新快速の最大の特徴は、その速達性とわかりやすさだ。 ・京都~大阪間:約29分 ・大阪~三ノ宮間:約21分 という速さは、並行する私鉄の特急を上回る。さらに、大阪駅と京都駅では00分、15分、30分、45分という15分ごとの発車時刻が設定されており、利用者にとって非常にわかりやすく、移動の計算がしやすい便利なダイヤだ。 新快速は1970(昭和45)年10月に誕生し、当初は京都~西明石間で運行されていた。停車駅は大阪、三ノ宮、明石のみというシンプルな設定で、新大阪駅を通過するという大胆なダイヤで速さと特別感を強調していた。 1972年3月のダイヤ改正で153系電車に置き換わり、最高速度が95km/hから110km/hに引き上げられ、発車時刻も現在のように00分、15分、30分、45分という15分きざみになった。当時、外側線(列車線)は国鉄本社直轄だったため、新快速は内側線(電車線)を走らざるを得なかったにもかかわらずだ。ここに、国鉄大阪管理局の意気込みを感じる。内側線(電車線)だけで新快速・快速・普通を走らせたのは、 「神ダイヤ」 といっていいだろう。 その後、1986年11月の国鉄最後のダイヤ改正で草津~西明石駅間の外側線(列車線)が開放され、新快速が外側線を走れるようになったのは感慨深い。
やばいポイント2「運行距離の長さ」
ふたつ目の新快速の推しポイントは、運行距離の長さだ。 京都~西明石駅間でスタートした新快速は、次第に区間を延長していった。姫路へは1972(昭和47)年3月と比較的早い時期に延伸していたが、米原方面への延伸には時間を要した。 1986年11月の国鉄最後のダイヤ改正で彦根駅。1988年3月のJRグループ発足後初の全国ダイヤ改正で米原駅、1991(平成3)年9月の米原~長浜間直流化で長浜駅、そして2006年10月の北陸本線の直流区間延伸にともない敦賀駅まで足を伸ばすこととなる。正直なところ、敦賀駅で見かける播州赤穂行きは、 「播州赤穂ってかなり遠いな」 と感嘆するばかりである。思いがけず普段めったに行くことのないはるか遠くにある駅名を見かけたとき、このままふらっと旅をしたくなるのは気のせいだろうか。 JR東日本管内でいえば、熱海駅で見かける宇都宮行きや高崎行きが遠路はるばる列車の仲間となる。ちなみに距離を比較すると、JR西日本の新快速が敦賀~播州赤穂駅間で(275.5km)、JR東日本の最長は東京上野ラインの前橋~沼津駅間(241km)であり、なかなかいい勝負だ。 ちなみに、ネット上では敦賀発・播州赤穂行きの新快速は。JR最長普通列車としてさまざまな記事や動画がアップされている。