JR西日本新快速の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない!
やばいポイント3「田園風景から都市部まで変化する景色」
運行距離が長いゆえに、田園風景から大都市まで変化する景色も新快速の魅力だ。 日本海側から琵琶湖北部ののどかな景色や冬場であれば雪景色を堪能し、途切れ途切れに琵琶湖を感じながら滋賀県南部の市街地を抜けると京都に着く。京都盆地を抜け、大阪のビル群を眺めて神戸を過ぎると、新快速のメインイベントといっていい明石海峡大橋と瀬戸内海が飛び込んでくる。 ・乗り継ぎなし ・特急料金なし で、ここまで車窓を楽しめるのが実にいい。 ただ、景色を味わうために進行方向に向かって右側に座るか、左側に座るかで悩ましいところだ。乗客が少なければ、右側に座ったり、左側に座ったりと移動できるが、混雑してくるとそうはいかない。 かといって、運転席の後ろに立ちっぱなしも200kmを超えるとなると、それなりの体力も必要となる。もしどちらか片方に固定するのであれば、下り列車の場合は左側だろうか。
やばいポイント4「車両とともに進化してきた新快速」
筆者のJR西日本新快速との最初の出会いは、3代目の117系だった。 初めて乗ったとき、前面の特別感を漂わせるデザイン、ふたつ扉、そして当時としてはめずらしい転換クロスシート(しかもヘッドカバー付き!)と、特急ほどではないにしてもグレードの高さに感動を覚えたのはいうまでもない。 221系から3扉となったが、特別感を醸し出すデザインやヘッドカバー付き転換クロスシートは踏襲されつづけている。 また、新快速の進化は車両の更新と深く関わっている。153系電車の投入で最高速度が95km/hから110km/hに引き上げられ、117系ではさらなるサービス向上と115km/h化を実施。つづく4代目の221系で120km/hとなり、5代目の223系で130km/hとなった。速度を向上したからこそ、停車駅が増えたにもかかわらず、わかりやすい発車時刻を維持できた面もある。 そして6代目の225系は、前面衝突対策や衝突時の客室内の空間確保など安全性に配慮された新快速となった。
時代を超え進化し続ける新快速
京阪神地区の通勤や行楽の足として走り続ける新快速。 東海道線・山陽本線を乗り継いで西に向かう、あるいは東に向かう青春18きっぷ旅行者にとって欠かせない存在の新快速。 時代時代の技術を取り込みながら、少し高めのサービスを提供してきた新快速。 これからも、 「新快速とは何ぞや」 を体現する存在として進化しつづけるとともに、安全に走り続けてほしいと願うばかりである。 JR西日本新快速の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない。皆さんが感じる“やばさ”があったらぜひ聞かせてほしい。
山本哲也(交通ライター)