「3位チャンスもあったけど完走優先にした」マルケスにイギリスGPスプリントの転倒が重くのしかかる
MotoGP第10戦イギリスGPの決勝レースで、マルク・マルケス(グレシーニ)は4位でフィニッシュ。表彰台には届かなかったが、今回は慎重なレース運びになっていたと彼は語った。 【リザルト】2024年MotoGP:ポイントランキング マルケスは予選7番手から決勝レースをスタートすると、序盤は表彰台圏内を射程に収める位置で戦っていた。 マルケスは終盤にアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)をなんとか追い抜き4番手に浮上すると、最後は3位のフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が少しペースを落としているところに1秒差まで追い上げてのフィニッシュを果たした。 決勝レースを振り返ったマルケスは、バニャイヤに対しては追い抜きも考えられる位置だったとしつつも、前日のスプリントレースで転倒していたこともあり、決勝は完走することを優先したと明らかにした。 「土曜日のクラッシュがなければ、表彰台も可能だったかもね。それか、別のクラッシュが発生していたかもしれない」 マルケスはそう語る。 「アレイシを追い抜いた時、ギャップを広げておくために2~3周プッシュした。そして、僕も土曜日と日曜日で同じようなミスを繰り返すわけにはいかなかったから、ペッコ(バニャイヤ)の後ろでペースをコントロールしていたんだ」 「レースの完走を優先したかったということもあるし、次戦オーストリアに向けて良いフィーリングを持っていくためにも完走は大事だった」 マルケスは全体的にイギリスGPでは苦しんできた。初日終了後には「迷子になってしまいそうだった」と認め、他のライダーの後ろを狙って走らなくてはならない状態だったと語っていたのだ。 予選でも他車のスリップストリームを狙う戦術を見せるなど、マルケスの苦戦は2日目も続き、結局スプリントレースでは転倒に終わってしまった。 しかし決勝レースでマルケスは改善し、競争力をある程度取り戻していた。マルケスはレースウィーク序盤の出遅れを考えると、決勝序盤にトップグループと同じペースで争えたことは”サプライズ”だったと語った。 「正直に言って、(4位は)凄いサプライズだった。今週末、僕らは常に後れを取っていたからね」 「ウォームアップセッションで少し助けになるモノを試して、そのおかげでレース序盤はトップのライダー達と同じペースを維持することができた。僕としては、これは本当に驚きだった」 「ミディアムのフロントとリヤタイヤでは、ここまで速く走れていなかったんだけど、レースでは凄くいい感触だった」 「ただ最終的には、土曜日の失敗の件がのしかかっていて、かなりコンサバになってしまったんだ」
Rachit Thukral / Germán Garcia Casanova