ゆりやんレトリィバァ「体重とか見た目にとらわれたくない」。「極悪女王」で40㎏増量した体重と自分らしく向き合う体づくり【インタビュー】
――自分自身ではリミットを決めていないんですね。 ゆりやん:本当は、この本の撮影までに60キロ台にしたかったんですけど、もう撮影が終わったし、むしろ食べる量を増やしたりして。今はちょっとずつ続ければいいやって感じですかね。 ――今後も続けていく予定なんですね。 ゆりやん:自分は普通のことをしているつもりなので、いつまでやるとかはなくて。ストイックですねって言ってもらうんですけど、「歯磨いてる」「ストイックですね、毎日磨くんですか」「毎日磨くでしょ」みたいな感じです。 体重が増えたとしても、すぐに自分がいいと思える体重に戻れるようになりたいと思います。「食べすぎたからもういい、明日も食べる」とあきらめるのではなく、「食べすぎたから明日は少し胃を休めよう」とか。 ――自分の体に優しくなれそうです。 ゆりやん:はい。そうです。自分が可愛がらないと誰も可愛がってくれないですもんね。 ――たしかに、誰かが自分の胃を休めてはくれませんし。ちなみに、考え方が違っていたら申し訳ないんですけど…。 ゆりやん:怒り出したりしないので(笑)。ややこしいやつですいません。お気遣いなく。言葉選ばないでください。 ――では、お言葉に甘えて…。以前は「自分なんて」と自分に自信がなかったとお話しされていました。体づくりで自信がついた今、お笑いへの向き合い方にも変化はありますか? ゆりやん:あ~。それはいちばん腹立つポイントなので、怒り出したらすいません。えっと、何から怒り始めたらいいかな…。 ――(笑)。 ゆりやん:子どものとき、アイドルになりたかったんですよ。でも無理やな、芸人いいやん、芸人なら私も輝けるかもって。芸人になったらブサイクとかデブとか言われて。でも、自分のネガティブポイントが強みになったから、隠れて生きていかなくてよかったし、助けられたし、自虐するのも普通やと思ってて。これが私だからいいよねって、自分を守っていたつもりだったんですけど。 自堕落な生活をずっと続けていたら、2019年のある日、自分って何なんだろうって思ったんですよ。健康に産んで育ててもらって、太ってることをネタにしたつもりじゃないけど、ラクやからそっちを選んで、結果的にめっちゃ太って。でもそういう自分が可愛いとか好きとか思えない。もうこの体ええわ、飽きた。変わらないといけないと思って。以前ダイエット企画で会った友さんに会いに行ったら、「もうこのスタイルでやりきったから、次は新しい自分になって、知らなかったフィールドに行けるように頑張ろう」と言ってくれて。 だいぶ減量した頃、けっこう言われたんですよ「芸人としての武器捨てるんですか」「痩せたとこで意味あるんですか」「そもそもキレイじゃないですよね」って。私は自分がおもしろいと思うことをやってきただけやのに、デブとかブスとかでしか見られてなかったんやっていうのが、ショックっていうか、そんな感じなんやと思って。 でもトレーニングを始めてから、ずっと優勝できなくて悔しい想いをしていたR-1グランプリで優勝して。おもしろいと思うことを認められたのが嬉しかった。都合いい話って思われるかもしれないですけど、別にそういうつもりはなくて、見た目がどうこうではなく、私は私として生きているだけなんです。 ――おっしゃる通り、世間につくりあげられたイメージがあったのかもしれません。 ゆりやん:こればっかりは黙ってられないですね。「ふーん。でも私のほうが細胞キレイやし、こっちのほうが絶対長生きするし。ごちゃごちゃ言わんで」って。言わないほうがいいのはわかってるんですけど。自分の夢に向かって一生懸命生きてたら、人のこと気にならへんのに。 自堕落な生活をしてるときは、何を言われても半ばあきらめていたけど、トレーニングしていると、スタイルが良くなったとかじゃなくて、元気になるから、可愛がってる自分のことをとやかく言われたくないというか。前は自分を下げることで守ってたけど、今はもう何言われてもいいって思います。今は真っ向から向かっていける。守り方が変わりました。
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