夜空に瞬く星々が刻むリズムと奏でる調べ。星の輝きに想を得たマスターピースを、指揮者・野津如弘が選んだ星にまつわる名曲とともに紹介する 【写真】名作時計とハイジュエリー

ヴァン クリーフ＆アーペルの「ミッドナイト イン パリ ウォッチ」と、「きらきら星変奏曲」

PHOTOGRAPH BY MASANORI AKAO

愛らしいメロディで親しまれる『きらきら星』。原曲は18世紀末にフランスで流行していた『ああ、お母さま、あなたに申しましょう（あのね、お母さん）』という歌曲で、おなじみの「きらきら光る～」の歌詞がつけられたのは後のことである。 モーツァルトの人生は数々の旅に彩られているが、20代初めのマンハイム～パリ旅行でこの曲を耳にしたのであろうか、主題と12の変奏からなる本作品を残している（作曲されたのは後年とも）。この旅でモーツァルトは同行していた母をパリで亡くしている。冗談好きなモーツァルトが悲しみの中で、母の魂を前に精いっぱい戯れて見せる姿が浮かんでくるようだ。 1 年で1 回転する文字盤に、その日のパリの夜空に輝く星の位置が表示される。左写真は3月25日の星模様。 ミッドナイト イン パリ ウォッチ〈41㎜/RG、アべンチュリン、メテオライト、クォーツ、手巻きムーブメント、＂クォンティエム ド セゾン＂モジュール、パワーリザーブ30時間、アリゲーターストラップ〉￥13,200,000／ヴァン クリーフ＆アーペル ヴァン クリーフ＆アーペルル デスク TEL.0120-10-1906 野津如弘（のつ・ゆきひろ）●1977年宮城県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、東京藝術大学楽理科を経てフィンランド国立シベリウス音楽院指揮科修士課程を最高位で修了。フィンランド放送交響楽団ほか国内外の楽団で客演。現在、常葉大学短期大学部で吹奏楽と指揮法を教える。明快で的確な指導に定評があるとともに、ユニークな選曲と豊かな表現が話題 に。 CALLIGRAPHY & ILLUSTRATION BY ANNA KITAMURA, STYLED BY YUKARI KOMAKI TEXT BY HIROKO NARUSE, SONG SELECTION & TEXT BY YUKIHIRO NOTSU