カワサキ「Z2」エンジン 予熱段取りで塗装の「タレ流れ」を防止 DIYでガンコートペイントに挑戦!! ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.24
ペイントガンはノズル口径=ノズルの太さで仕上がりが変化する
耐ガソリン性やパーツクリーナーなどの耐溶剤性に優れ、しかも耐ブレーキフルード性にも良好なのがガンコートペイントの特徴です。しかも、ペイント塗膜が排熱効果を持つ「機能ペイント」としても知られています。 【画像】1液でDIY向き!! ガンコート施工の様子を画像で見る(20枚) つまりガンコートペイントすることで、エンジン冷却が早くなります。空冷エンジンには特に最適なペイントとして、80年代頃から数多く実用化されてきたのが、ガンコートペイントでもあります。
しばらく使わずにいたガンコートは、ネタ缶の中で顔料が沈殿してしまい、透明の溶剤と分離してしまうことがあります。ガンコートに限らず、すべてのペイントは顔料と溶剤が分離しやすいですが、ガンコートは想像以上に顔料が重い塗料のようです。 しっかり繰り返しシェイクすることで(塗料容器を振ってカラカラ音を立てながらシェイクします)、本来持つペイント性能に回帰するので安心です。仮に、同日作業だったとしても、ペイントガンのカップへ塗料を注ぎ入れる直前には、塗料容器を必ずシェイクしましょう。しっかり混ぜながら事前段取を進めて行きましょう。
いよいよペイント&乾燥工程に入りますが、今回のDIYペイントでは、ノズル口径φ0・6mmのスプレーガンを、すべてのペイント作業で利用しました。 シリンダーやシリンダーヘッドのように、奥深く切り立った冷却フィンがある部品をペイントする場合は、ノズル口径φ0・6mm仕様を利用し、薄く重ね塗りしていくのが良いようです。 一方、クランクケースやヘッドカバーのように、平面かつ広範囲を塗る場合は、ノズル口径φ1・0mmの太いノズル仕様の方が、素早くかつ効率良く、しかもキレイに塗料を吹き付けることができるようです。
前述したように、今回は終始φ0・6mmノズルのペイントガンを利用しましたが、そんな作業中に、塗りにくい場面もありました。 作業完了後に、別の部品を用意して、ノズル口径φ1・0mmのガンを借りてペイントしてみると、広い面積を素早く安定的に塗るには、φ1・0mmノズルの方が明らかに扱いやすく好印象の仕上がりでした(事前に試し塗りするべきでした)。