8強入り上田西 PKあたえた東風谷崇太、「正直、終わったなと」地獄から天国へ決勝点でヒーロー 全国高校サッカー
◇2日 第103回全国高校サッカー3回戦 7大会ぶり3回目出場の上田西(長野)は、矢板中央(栃木)に2―0で守り勝ち、4強に進出した前回出場以来の8強入りを果たした。6大会連続出場の帝京大可児(岐阜)は、前半33分の守護神一発退場が響き、2―3で初の準々決勝進出はならなかった。 九死に一生を得たDF東風谷崇太(3年)が、チームを救った。前半2分、相手FWを引っかけて倒し、PKを献上。 しかし、GK牧野長太朗(同)が左に跳び、ストップした。逆に同11分、ロングスローが起点となったシュートのこぼれ球を東風谷が右足で押し込み、先制した。 天国と地獄を味わった3年生は「正直、終わったな、みたいに思って。1回どん底に落ちた。最悪の状態は想定してて、最悪すぎたけど、取り返してやるぞっていう気持ちはあった」と振り返った。 その後は守備でも取り返した。同39分、間一髪のシュートブロックでリードを死守。後半早々にDFリーダーのDF緑川周助(同)が負傷交代した後は、守備陣を統率した。 押し込まれ、後半だけで10本のシュートを浴びた。ロングスローも繰り返し放り込まれたが、180センチ以上が1人もいない中体を張り、粘り強く守った。 クラスメートで、普段から仲のいいGK牧野も「あいつを絶対に戦犯にさせないって気持ちで止めた。そうしたら、あいつが自分でヒーローになってくれた」と笑みを見せた。絆を武器に、優勝候補の流経大柏(千葉)に立ち向かう。
中日スポーツ