家庭用水栓に革新 蛇口からミネラル入りの浄水が出る新サービス LIXILとサントリー共同開発 その仕組みは?
ミネラル浄水ユニットを構成する浄水カートリッジ・ミネラルボトル・クリーンフィルターの3つの消耗品は三位一体となっており、ミネラルボトルの残量を基準に3つ同時に交換する。 3つの消耗品1セットで約600Lの「ミネラルinウォーター」に対応する。 4人家族の場合、年間使用量は1200Lと推定され、交換は半年に1回が推奨される。 交換セットは長期で契約すると割安になる。 ミネラルボトルの残量がわずかになると交換セットが自動注文される3年契約プランでは「ミネラルinウォーター」1L当たりのコストは約33円と試算される。 新サービス「グリーンタップ」は、冷水タイプと常温タイプの2種類があり、冷水タイプは、ミネラル浄水ユニットに加えて約10℃に冷却する冷水ユニットと機能ボックスで構成される。 機能ボックスは、スマートフォン・無線LANと水栓を接続するユニット。専用アプリで「グリーンタップ」をインターネット接続するとミネラルボトルの残量が検知できる。 冷水ユニットでは約5℃の設定もできるが「まろやかなおいしさが最も感じられるのは約10℃」(LIXILの松尾謙吾LWTJ水栓事業部長)という。 冷水ユニットの電気代は、1日あたりの冷水の使用量が3Lの場合、約14円と算出される。 そのほか、おいしさを担保する工夫としては、ミネラルの添加量と水量を正確にコントロールし常に一定の濃度を実現する制御システムや、「ミネラルinウォーター」の通路と水道水の通り道を分ける二重管ホースが挙げられる。 各ユニットは、既存のキッチンサイズに幅広く対応できるようコンパクトに設計。 「浄水ユニットは引き出しからすぐに手が届く位置に設定し楽に交換できるようにし、冷水ユニットは約1Lの容量を確保しつつシンクしたのデットスペースに収まるようにしてサイズと形状をこだわった」(松尾氏)という。 ハンドルは左右に設けられる。 左側は「ミネラルinウォーター」用でLEDハンドルになっており、冷水・常温水・止水でLEDライトが変化する。右側は原水(水道水)でお湯と常温に切り替えられる。 サントリーは今後、「グリーンタップ」のコミュニケーションでもLIXILに協力する。 サントリーの柳井常務執行役員は「いろいろとお話させていただく中でアイデアを出させていただく」と述べる。 「グリーンタップ」は3月29日から発売している。LIXILでは5年間累計で130億円の販売目標を掲げる。