渋野日向子が13位タイに終わった凱旋試合で得たものは何か?
女子ゴルフの「AIG全英女子オープン」で日本勢では42年ぶり2人目のメジャー制覇を果たした渋野日向子(20、RSK山陽放送)が、休む間もなく、札幌国際CC島松Cを舞台に9日から3日間の日程で行われた凱旋試合「北海道meijiカップ」に挑んだ。 渋野は6日に英国から羽田着のJAL機で帰国すると、その足で、2つの記者会見をこなした。日本記者クラブには、ゴルファーとして初めて招かれた。急きょ決まったこの会見には187人の報道陣が詰めかけ、集まったテレビカメラは23台。当時21歳だったイチローを抜く同クラブでは史上最年少のゲストともなった。 当初は、その日に北海道入りする予定だったが、1日ずらして翌7日の午後に北海道北広島市へ移動した。渋野はツアー本格参戦1年目のため、この大会は初出場。初めてラウンドするコースを下見できたのは、開幕前日の8日のプロアマ戦の一度だけ。7日はパッティングの練習すらできず、前夜祭の前には地元テレビ局の情報番組に生出演し、前夜祭が終わったあともテレビ出演をこなした。 メジャーでの激闘に加え、帰国後は分刻みの過密日程。 「時差ぼけもあってずっと眠い。でも、前夜祭があった日に寝たのは午前2時くらい。何もやる気が起きなくて、お風呂に入る気持ちにもなれなかった。ボーッとしていました。正直疲れています」 心身ともに限界状態だった。わずかな睡眠でプロアマ戦に出場した8日にはついに体調を崩した。38度の高熱による頭痛。ノドも痛めた。そんな状態で臨んだ試合で通算4アンダーの13位タイでのフィニッシュは称賛に値するだろう。 初日、2日目は70の2アンダーで回り、最終日はパープレー。 「目標は予選通過。最後までやれればいいと思っていた。でも、そこだけは意識していた」という連続オーバーパーなしラウンドは全英女子オープンの4ラウンドを加え25ラウンドに伸ばした。 最終日のラウンドは3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの2オーバーで迎えた残り2ホールで連続バーディーを奪い、パープレー。 「最後は応援してくれた人のためにも絶対にバーディーを取ろうと思った。狙って、取ったバーディーです」 誇らしげに胸を張ると「あそこで取れるなら最初から取れよ、ですよね」と笑った。