「子のいない人生は未完成です」彼の両親から送られた手紙に震えが止まらない。子を望まない女性を追い詰める昭和のヤバすぎる常識。
少子化が叫ばれる中、子供を持たない生き方を選ぶ人も少なくない。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。 「子どもがいないと一口に言ってももともと欲しいと思っていない人、欲しいと思っていたけれどできなかった人など、事情はさまざま。経済協力開発機構(OECD)によると、1975年生まれで子どものいない女性が日本では28.3%。比較可能な26カ国で最多という調査結果があります」。 生涯、子供のいない女性は4人に1人との調査もある。事情は人それぞれだ。 今回は子を産まない選択をするなかでときに葛藤し、悩み苦しんできたと話す女性の証言だ。 -----------------
畑中玲奈さん(仮名・44歳)は、子供を望んでいない。しかし、ここまで至る過程でさまざまな気持ちを体験したそう。 「仕事が楽しい。その気持ちでここまできました。ただ、30代の後半に、このままでいいのかな?という気持ちに苛まれたことはあります。仕事もキツくて、子供産んだらやめられるかななんて打算的な考えをしたり。周りに結婚、出産をした人が増えたことも大きかったでしょうね。あとはそれまで、心のどこかに孫を見せて親孝行したいなって気持ちがあったことも事実です。恵まれたことに私の親からそういうことを言われたことはありませんが、本当はきっと欲しかったんじゃないですかね」。 しかし、玲奈さんはこれまで出産という選択をしてこなかった。 「タイミングが合わなかったといえばそれまでかもしれません。育てる自信もありませんし、何より今の暮らしに満足しているので、無理をしてまで子供を産むことはもうないと思います」。 いわゆるタイムリミットが伸びていることも内心、もやもやすると話す。 「昔なら、45歳での出産はかなり珍しいケースでしたよね?でも今は全然。周りにはここ数年で子供を産んだ同級生もゴロゴロいますし。周りからの期待が完全に消えない感じもちょっと煩わしいですね。親戚の集まりでは腫れ物扱いですよ」。 そんな玲奈さん、最近までお付き合いしていた男性がいた。 「私は彼と子供について徹底的に話し合いたい、そう思っていました。彼も同い年なので、子供が欲しいのであれば、私と付き合っている暇はないと思ったので。でも、彼はのらりくらりしていて、結局はぐらかされてしまうんですよね。話し合いができない時点できっぱり別れていれば、あんな想いはしなくて済んだのに…と後悔することがあります」。 ことの発端は、上京してき彼の両親に会ったことだ。 「ぱっと見はすごく素敵なご夫妻で、話も面白く、その日はとても盛り上がりました」。 なんとなく、結婚というキーワードも出たらしい。