韓国鉄鋼に新年の希望…突き抜けろ「ハイパーループ」、防げ「中国ダンピング」
昨年苦戦した韓国の鉄鋼産業が今年も「効率化」という宿題を抱えた。建設景気が低迷する中で中国製低価格鉄鋼材と競争しなければならない状況が今年も続く上に米国の保護貿易政策はさらに強化される見通しだ。 貿易業界と鉄鋼業界によると、中国の大規模安値輸出は韓国の鉄鋼産業を脅かす存在になった。中国が内需で残った鉄鋼を安値で輸出する流れを止めそうにないためだ。フィナンシャル・タイムズは中国の鉄鋼コンサルティング会社マイスチールの資料を引用し、中国の昨年の鉄鋼輸出量が1億トンを超え、2016年から8年ぶりの規模になるだろうと報道した。中国の鉄鋼製品価格は欧米または他のアジアの国と比べ10~20%安い水準だ。ここに韓国国内の建設景気沈滞が重なり7-9月期にポスコは営業利益4380億ウォンで前年同期比39.8%減り、現代製鉄は営業利益が77.5%急減した515億ウォンを記録した。 トランプ次期大統領が就任する20日以降、さらに強まる米国の保護貿易主義もカギだ。第1次トランプ政権時代の2018年に米国の鉄鋼クオータ(無関税輸入量)制限措置により韓国の鉄鋼企業は大きな打撃を受けた。バイデン政権は自国の鉄鋼産業を守るべきという世論を意識し日本製鉄のUSスチール買収を認めなかった。 鉄鋼業界関係者は、「米国は高価な鉄鋼材が売れる市場なので日本製鉄のUSスチール買収失敗は韓国に一部肯定的かもしれない」としながらも、「ただ現在の韓国製鉄鋼クオータなどを考慮すると実際の影響は確かめてみないと分からない」と話した。他の鉄鋼業界関係者は「USスチール買収の可否に関係なく米国の通商障壁が高くなるかもしれない」と予想した。 鉄鋼業界はスリム化すると同時に中国牽制に乗り出している。ポスコは昨年7月に慶尚北道浦項(キョンサンブクド・ポハン)の第1製鋼工場閉鎖に続き昨年11月に第1線材工場も閉鎖した。現代製鉄は昨年7月、産業通商資源部貿易委員会に中国製厚板の反ダンピング調査を申し込んだのに続き、12月には中国製・日本産熱延鋼板の反ダンピング調査も申し込んだ。 同時に、業界は価格競争力が高い高付加価値製品新市場に期待をかけている。ポスコはハイパーループ専用鋼材と海上風力発電用下部構造物用厚板などに注力する予定だ。真空状態のチューブ内を超高速で運行する列車であるハイパーループの導入で鉄鋼材の新需要が増えるだけにこの市場を先取りするということだ。 商業用ハイパーループチューブ用鋼材は1キロメートル当たり約2000トンが必要とされ、2050年までに欧州だけで合計2万5000キロメートルのハイパーループが建設される予定だ。ポスコは昨年9月に世界で初めて欧州のハイパーループセンター試験線に専用鋼材を供給することにした。