ご当地デリカ(惣菜弁当)100選 滋賀県「平和堂」 三方よしの近江デリカ キャベツまみれの「お好み焼」
近江商人の哲学「三方よし」そのままに、「買い手によし、地域によし、平和堂によし」の“近江デリカ”を目指し、進化し続けているのが滋賀県を中心にドミナント展開する総合スーパー「平和堂」だ。同店はおいしさを裏付けるストーリーを重視し、素材の力を全面に打ち出した商品なのか、味付けの完成度を強みとした商品なのか、「どんなおいしさを届けたいのか」「何を伝えたいのか」を明確に意識した商品開発を行っている。近年では“スーパーの定番惣菜”からの脱却を図り、外食店に匹敵する味を目指しながら、価値と売価における高コストパフォーマンスを常に追求。同社の根底にあるのは「平和堂のデリカが地域になくてはならない存在になるのが最終ゴール」という思いだ。 【写真で見る】刺さる商品Pickup! 名物デリカ6選 平和堂
半分以上がキャベツ! キャベツ! キャベツ!「お好み焼き」
ここ数年間の平和堂の改革例で売上げが急拡大したのが「手づくりお好み焼」だ。味わいを劇的に向上させ、直近2年間で売上げは1.6倍にアップしたという。 他店のお好み焼きと決定的に違うのは「キャベツ」。一般的なスーパーのお好み焼は約120gのキャベツを使っているのに対して同品は約175gと、とにかく多い。カットにもこだわり、お好み焼のふっくら感が最も出る切り方を試行錯誤した末に、幅3mmの千切りに行き着いた。言うなれば「キャベツが主役のお好み焼」なのだ。 【「手づくりお好み焼(豚玉)」398円(税抜き)/361g】 キャベツの量がハンパない。炭水化物メニューのイメージから遠く、“野菜のクリーミーお焼き”といったところ。商品を知り尽くした従業員が昼食に購入することも多いそうで、その完成度の高さがうかがえる。
厳しすぎる社内審査 不動の人気を誇る主力惣菜シリーズ「E-WA!」シリーズ
「平和堂こだわりブランドE-WA!」は、同社が「各量販店、競合店と比べても自信がある」と言い切るオリジナルブランドである。2021年に衣食住のすべてに共通する“優秀商品の統一ブランド”として、「E-WA!」が誕生した。商品は社内の認定会議で厳しく審査され、さらに改良を重ねることで晴れて「E-WA!」ブランドの仲間入りができるのだ。 審査基準は次の4つ。(1)素材のこだわり(2)製造のこだわり(3)おいしさ(4)健康感。「E-WA!」に認定されている惣菜商品は現在12品。惣菜商品全体の中の同ブランドの構成比は11.5%で、年間46億円を売り上げる(24年3月時点の取材内容から)。同店の惣菜の真価を知りたいのなら、必ず購入すべし! 【「にしん昆布巻」 298円(税抜き)/2本】 「見かけると息をするように買い物カゴに入れてしまう」と評判の隠れた名物。なぜ、この地味な商品がそこまで響いているのか、実食してみたら即納得。だしが染みた昆布が絶妙で、歯触り、ニシンの存在感、昆布とのバランスが申し分ない。 ※24年3月時点での取材情報につき、価格、商品内容など変更している場合あり
【店舗情報】平和堂
店名=平和堂(合計156店舗/本社=滋賀県) 本社所在地=滋賀県彦根市西今町1番地/創業=1957年3月(「靴とカバンの店・平和堂」)、株式会社設立=同年6月/グループ年商=4,254億4,240万円(24年2月期)/店舗数=近畿・東海・北陸で計166店(うち滋賀県は80店)。大型店舗「アル・プラザ」、小型店舗「フレンドマート」などの業態も展開している。
日本食糧新聞社