ロシア・中国・イランの選挙干渉加速、偽動画や陣営ハッキング…選挙後に暴動あおる可能性も
中国は特定の大統領候補を標的にせず、反中派の連邦議会議員候補を落選させることに力を注いでいるとみられる。一方で中国と関係のあるハッカー集団がトランプ氏やハリス陣営の選挙スタッフらの携帯電話をハッキングしようとした疑いが持たれている。
議会襲撃念頭
米当局が最も警戒するのは選挙直後だ。選挙結果の受け入れを明言していないトランプ氏が敗北したり、接戦だったりした場合、偽情報をきっかけに国民の間に不穏な空気が充満する恐れがある。米情報機関が10月に機密解除した内部文書によると、米政府はロシアやイランが「選挙後に抗議活動や暴力をあおろうとする可能性がある」と見る。
念頭にあるのは、2021年1月に大統領選で敗北を受け入れないトランプ氏の支持者が連邦議会を襲撃した事件だ。米国家情報長官室の高官は「外国勢力は過去の米国の選挙から学び、国民の不安をあおる備えが整っている」と警告している。