50代共働き夫婦、年金12万円の70代母、一時預かりから「老人ホーム入居決定」でようやく安堵も〈まさかの逆戻り〉となった深刻理由
「帰ってきちゃった」とテヘペロ
土曜日の夜、佐藤さん夫婦が自宅でそれぞれくつろいでいると、インターフォンが鳴った。 思わず夫婦で顔を見合わせ、恐る恐るインターフォンのカメラを見ると、そこには姑が映っていた。 「ぺろりと舌を出して〈エヘッ、帰ってきちゃった〉と…。もう絶句です」 株式会社Speee/「ケアスル 介護」による『介護施設の転居に関するアンケート調査』によると、入居した施設が「1施設目」との回答が61.6%。逆にいうと、老人ホーム入居者の4割が転居をしていることになる。 転居経験者に聞いた理由の最多は「特養などに入所するため、一時的な入居だった」で33.3%だが、以降は「介護スタッフ・施設職員への不満」「介護サービスの質が低い」「医療・看護体制が不十分」「介護度や病気が重くなり退去を命じられた」といった不満が続く。 「食事がまずく、スタッフが不親切だというのです。金額面だけで選んだら、結局こんなことに…」 義妹夫婦のところには戻れないため、とりあえず佐藤さんの自宅にいてもらい、新しいホーム探しが続いている。 「本当に疲れました…」 だんだん遠慮がなくなってきた姑に、佐藤さん夫婦も疲弊しているようだ。 老人ホームを安さだけで選んでしまうと、思い描いていたサービスが受けられず、後悔の原因になることもある。費用だけでなく、入居後の生活もシッカリ考慮したうえで検討することが重要だといえる。 [参考資料] 株式会社Speee『介護施設の転居に関するアンケート調査』 厚生労働省『令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況和』
THE GOLD ONLINE編集部