「RMK」や「スリー」の立役者、石橋寧が化粧品業界に提言 Vol.2「なぜメイクアップカテゴリーを軽んじる?」
――: そういう意味では今、「ケイト(KATE)」が頑張っています。
石橋:メイクアップは飾るものだから、クオリティー以上にパッケージも含めて高揚させる気持ちの部分が大事。口紅なら人によっては10色も20色も持っているわけだから、感性という部分がすごく大事になってくる。それが今の日本のメーカーには欠如していますね。花王が力を入れている「ケイト」は低価格でクオリティーもいいし、元々売れていたところに“リップモンスター”で火がついた。確かにアジアで今一番売れている日本のメイクアップブランドだから、それを強化するのはアリだと思う。でも1000円2000円の商品だから、将来をどうしていくのか、そこが鍵でしょう。根強い人気の韓国は、製造に約4カ月という短期でトレンドに対応している。でもスピード感がある反面、特に容器の粗悪品も多く、そこがまだまだ不十分。中国ではスキンケアにおいてはローカルブランドが出てきていますが、これというメイクアップブランドがまだなく、中国の代理店に香港で会った時に「メイクを強化してほしい」と言われました。アジアのマーケットは約65%がスキンケアで、メイクアップのウエイトは低い。ところがこれが国の成長とともに上がっている。だからメイクアップはチャンスだと思うわけです。