ニューヒーローを待ちわびて WBCへ戦力見極めの年―侍ジャパン・井端弘和監督
野球日本代表「侍ジャパン」の井端弘和監督にとって、2025年は翌年に控えるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、戦力を見極める重要な1年になる。 【写真】撮影に応じる野球日本代表「侍ジャパン」の井端弘和監督 今年の漢字に選んだのは「新」。その心は「新たに世界一に向けて挑戦したいという気持ちがある。どんどん新戦力が出てきてくれればありがたい。新しい力は日本のためになる」。ニューヒーローの出現を待ちわびている。 日本が優勝した23年のWBCで最優秀選手(MVP)に輝いた大谷翔平選手(ドジャース)は、既に次回大会への出場に意欲を示している。井端監督は「来てもらえるなら、前回同様チームを引っ張っていってくれればいい」と期待を込める。ただ、連覇を果たすためには新戦力の発掘が必要不可欠だ。 日本代表の将来を見据え、有望選手には早くから国際試合の経験を積ませてきた。昨秋の国際大会プレミア12では、小園海斗内野手(広島)や代表初選出の才木浩人投手(阪神)らが活躍。「経験している人は強い。今回、選ばれた選手はいい経験をしたと思う」。ただ、「みんなに注目している」と語るように、プレミア12に出場できなかった選手にも門戸を開いている。 昨年3月の欧州代表との強化試合では、当時大学生の金丸夢斗(中日)、中村優斗(ヤクルト)両投手、西川史礁外野手(ロッテ)、宗山塁内野手(楽天)を招集した。4選手は、いずれもドラフト1位でプロ入り。「WBCでも五輪でも、1年目ですぐに代表に入ってくる選手はいる。そのために大学生を呼んだ。それ以外の新人にも十分チャンスはある」と語る。 日本がWBCを制したのは06、09、23年の3度。05年にはシーズン202安打を放った青木宣親や西岡剛、08年には打率3割7分8厘をマークした内川聖一、22年は高橋宏斗(中日)、新人の大勢(巨人)らが飛躍を遂げ、翌年のWBCで戦力となった。「まずはレギュラーシーズンの成績が大事になってくる」と井端監督。侍ジャパンの未来を担う新星は現れるか。